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Dropkick
アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは「男性から女性へ……性転換手術レスラー家族の新しい旅立ち」です!
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「これが私なんです。もう恥ずかしくなんかない。世間の目が怖くて、ずっとずっと隠し続けてきた。だけど、もう怖くなんかない。恥だなんて思わない。いまなら胸を張って言える。私はこのありのままの自分が大好きだって」
2008年から2012年にかけて、WWEで活躍した男性レスラー、タイラー・レックス。身長196センチ、体重112キロの大型で、濃い髭とドレッドヘアーが特徴的な、筋肉ムキムキ系レスラーの印象が強い。男らしさを剥き出しにしていた彼が、性転換手術を受けて女性となったことをテレビ番組で公表したものだから、その変貌ぶりに誰もがド肝を抜かれた。
彼、いや彼女が、性転換をして“本当の私”を生きるためには、愛する奥さんと、9歳になる愛娘の存在が欠かせなかった。
トランスジェンダー女性として生きることを選んだタイラー・レックスは、名前も本名のガブリエル・タフトを「ギャビー・タフト」へと変えて、新たな人生を出発させた。
ギャビーさんは、1978年サンフランシスコ生まれの現在42歳。カリフォルニア工科大学で土木工学を専攻し、卒業後は土木エンジニアとして、一般企業に就職。プロレスラーとしてデビューしたのは2007年。翌年には当時WWEの下部組織だったFCWと育成選手契約を結ぶ。FCWヘビー級と同タッグ王座を獲得したのち、2009年6月にはECWへと昇格。そして翌2010年10月にはスマックダウンに所属。その恵まれた体格もあって、1軍メンバーとして定着する。
順調なレスラー生活ではあったが、プロレスラーになる以前2002年に結婚した奥さんのプリシラさんとのあいだに、娘ミアちゃんが産まれると、ツアーで家を留守にしがちなプロレスラー生活よりも家族との時間を大切にしたいという気持ちが高まり、2012年8月にWWEを退団する。最後のWWE登場は、男性ストリッパーの格好をさせられた。
退団から2年後の2014年、ギャビーさんはプロレスからの引退を発表。栄養士資格を持つ奥さんとフィットネスのパーソナルトレーニング会社を立ち上げたり、オートバイレーサーとして充実した生活を送っているようにも見えた。
しかし、いつしか自分の奥底にずっと隠し続けてきた“本当の私”の存在と葛藤が始まっていた。
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