魔裟斗の参戦により再び炎上した皇治のバッティング騒動。こうなったらこの男に話を聞くしかない! ということで日頃から皇治に厳しい平本蓮インタビュー!1万字でお届けします!!(聞き手/ジャン斉藤)
※編集部注※
このインタビューは魔裟斗YouTube発言に対して白鳥大珠選手の説明や、白鳥選手が所属する那須川弘幸会長の大大大反論以前に収録されたものです。
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――平本選手は皇治選手の試合のバッティング決着を予言してましたよね。
平本 そうしたら、まさかの……。ファンから「試合はどう予想しますか」ってリプをもらったときに、ぶっちゃけ皇治って勝ち負けがどうでもいいというか。勝っても負けても評価は変わらない……まあ、勝ったら評価は上がるんですけど。負けてもそこまで評価が下がらないやり方をやってきていて。今回のトーナメントも開催できた時点で皇治にとってはゴールなのかなって。
――たしかにこのキックトーナメントは皇治選手の力で実現しましたね。
平本 だから結果はどうだっていいと思ってたんですよ。試合そのものというよりは試合前後の言動だったりとかがメインなので。「皇治の試合結果はどうだっていいよ」という意味を含めての「バッティング KO」 とツイートしたら、まさかの……。ちょうどその日が誕生日だったので、天から誕生日プレゼントが降ってきたなっていう(笑)。
――なんというプレゼントですか(笑)。予言したのは皇治選手はバッティングが多いという理由もあったからですよね。
平本 俺は皇治を批判するためにK-1時代からずっと試合を見てるんですよ。昔はそんなにバッティングはなかったというか……まあ、あったんですけど。日本代表決定トーナメント1回戦(2016年)で卜部功也という強い選手とやったときに、バッティングして自ら出血するという。皇治はよく試合でまぶたをカットしたりするんですよね。試合後にその流血写真をアップするというのが一連の流れで。
――ホントに昔からチェックしてるんですね。
平本 流血写真のあとに、血まみれのライオンの画像もアップするんですよ。けっこう恥ずかしいことやってるなって(笑)。
――本当に詳しい(笑)。
――めったに起こるものではないんですね。
平本 MMAのスパーでだったらありますよ。キックをやっててバッティングはそんなに…… 強いパンチって頭がブレてると打てないんですよ。 メイウェザーやコナー・マクレガーの試合を見ればわかりますけど、パンチを打つとき頭がまったくブレないんですよね。カウンターを打つにせよ、パンチが強い人は重心を置いてるので。そうやって打つのが正しいんですけど、 皇治の場合は頭を振っちゃってるから強いパンチが打てずに相手を倒せないんだと思うし。そんなことはわかってるはずなんですけど、できないってことは意外にアガリ症なんだと思いますね。
平本 関係している話でいえば、皇治が一般人にキックを教えるという謎の動画が上がってて。
平本 俺は格闘技が大好きで、そういうものを隅々までチェックするんですよ。「この格闘家はどんな考えを持ってるんだろうか」とか。で、皇治はストレートを打ったときにそのまま左に頭を外すとか間違ったことを教えてて。ああいう動画を見ると、チームや練習環境がどうとかじゃなくて、もう直しようがないのかなって気はしますけどね。
――今回の試合をきっかけに、皇治選手の過去の試合のバッティングが掘り起こされてますね。
平本 武尊戦なんてロケットみたいに飛び込んでるやつもあったりして。さすがにあの入り方はないだろうなって。距離感がわかってなくって突っ込んでくるから……言っちゃえば下手くそなんですよね。ほぼほぼ起きないですけどねぇ。 バッティングをやるほうがもちろん悪いですけど、天心なんかは皇治とやったとき、すごくうまくバッティングをかわしてますよね。
――あらためて見直すと天心選手はバッティングを警戒してたんですね。
平本 基本、相手の顔にパンチを打つので近づいてきたら距離は取らなきゃいけないわけですよ。 天心みたいにちゃんと距離を取って当てていくのがベストだと思います。魔裟斗が(白鳥)大珠くんに対して「白鳥のバッティングが多かった」みたいなこと言ってますけど、 バッティングも何も皇治があんなふうに突っ込んでくるから、距離を取るために相手を押し返すしかないから当たるわけじゃないですか。
――白鳥選手の場合は、皇治選手と同じ俎上に載せるものではないと。
平本 大珠くんの場合は引き手からのバッティング、皇治は前に出たとこのバッティング。それは皇治のほうが悪いですけど、魔裟斗は指摘するのはそこじゃないだろうって思うんですよね。皇治の炎上を抑えようとしてるのか、仇となって燃えるじゃないですか。
――あれが魔裟斗さんの独り語りや、武蔵さんとの対談だったらまだしも、皇治選手だけがいることで白鳥選手の欠席裁判感も出ちゃいましたね。
平本 今回のバッティング問題って、とりあえず落ち着いてきたじゃないですか。そこで魔裟斗が火に油を注ぐような言い方をして。あの人は“K-1愛”からああいうことを言ってるんじゃなくて、人気があるものに乗っかりたいだけすね。 YouTubeとかでもK-1選手を紹介するわけでもなく朝倉未来に媚を売ったりして、気色悪いと思っちゃいましたよ。歳を取っても、ああいう風に若手に媚びは売りたくないなと思いましたね。
――平本選手にとって魔裟斗さんは憧れのファイターだったんじゃないんですか?
平本 高校時代ぐらいまではカッコいいなって思ったんですけど。 実際にK-1甲子園に出ていた頃のインタビューでそう言ってるんですけど、俺が魔裟斗の悪口を言うと、その記事を毎回貼り付けてくる奴がいるですけど。高校1年のときのインタビューなんて卒業文集よりも軽いじゃないですか。
――風が吹いたら好きなものが変わる年頃ですよ(笑)。
平本 高校の頃は好きだけど、大人になったら嫌いになることはたくさんありますよ。 16歳でデビューして、今年で7年目。20歳を超えるといろいろと気付かされることがあったり、 考えることで魔裟斗がだんだん嫌いになって。シンプルに魔裟斗は見る目がないんですよね。K-1のトーナメントの予想を毎回外すんですよ。
――皇治選手に続いて魔裟斗さんにも詳しいですね(笑)。
平本 魔裟斗予想は外れるっていうジンクスがあって、魔裟斗に予想されるの嫌なんですよ(笑)。 選手としてはすごい実績は残したのかもしれないですけど、引退したあとトレーナーとかやってるわけじゃないから見る目はないですよ。 テクニックタイプでもなかったじゃないですか。どちらかというと皇治みたいにガンガン前に出るみたいな。技術面でいったらそれこそライバルだった佐藤嘉洋選手のほうがうまいのかなと思うんです。ほかのキックボクサー全員にも言えるんですけど、 魔裟斗に面倒見てもらったわけじゃないんだから「 魔裟斗さん、 魔裟斗さん」って崇める必要はないですよ。俺なんかしたら、いまのK-1があるのは武尊選手とかいまの選手の力だし、 自分たちでK-1を作り上げてきてるんだから、なんで魔裟斗にあんなふうに偉そうにさせてるんだって思いますよ。こういうことをいうと「K-1を作ったのは魔裟斗」って声が飛んできますけど、いまのK-1を作ったのはいまの選手たちだから。
――魔裟斗さんと会ったことあるんですか?
平本 何回かありますね。こないだ篠塚辰樹のセコンドでK-1に行ったときに、魔裟斗とすれ違ったんですけど。「刺青、入れすぎだよ」って言われて。 そんなの知らねーよってムカつきましたよ(笑)。とくに返事はしなかったですけど。
――それは魔裟斗さんなりに後輩とコミュニケーションを取りたかったんだと思いますよ(笑)。
平本 いやあ、そういうわけじゃないと思いますよ。魔裟斗があそこまで言うんだったら、皇治にバッティングをやられまくった武尊選手との対談も見てみたいですよね。「皇治のバッティングがどうだったのか」とか聞いてみろって思いますよ。
――魔裟斗さんと白鳥選手の対談は見たいですけどね。
平本 どうせだったらそうやったほうが面白いじゃないですか。 なんで皇治だけなんだと思いますよ。
――魔裟斗さんって白鳥選手に対して何か悪いことを言ってるつもりないと思うんですよね。
平本 マジですか。
――さっきの平本選手への声掛けもそうですけど、ヤンキー体育系タイプにありがちな先輩としての愛情表現だと思います。押し付けがましいですけど(笑)。
平本 まあ魔裟斗は魔裟斗で人間らしいのかなと思いますけど、アイツのことはどうでもいいかなって思ってますよ。それより何が気持ち悪いって今回、魔裟斗が何か言ったことでコロッと意見を変える奴ですよ。 それは本当にどうかと思うんですよね。
――自分に芯がないんじゃないかと。
平本 今回のバッティングに関しては試合が終わってからでも話題は皇治一色だったし、皇治はなんだかんだ爪痕を残したというか。そこはすごいですよね。RIZINという舞台で話題を作ってるいう部分では、俺は皇治のことを仲間だと勝手に思ってて。
――仲間! 皇治選手が平本選手のことをどう思ってるか気になりますね(笑)。
平本 まあ、こっちが勝手に思ってるだけですけど(笑)。皇治はRIZINでちゃんと話題を作ってるじゃないですか。そこは他の選手とは違いますよ。
――でも、嫌いなんですよね。
平本 なんか鼻につくんですよね! 魔裟斗との対談の皇治のしゃべり方もめちゃくちゃ気持ち悪いんですよ。「勝たずに決勝に行くのは自分の中では違うな」って言ってるんですけど、 RIZINに来ていきなり天心とやったり、五味(隆典)さんを選んだりとかしてるし、ホントにそんなこと思ってるのかなって。皇治って何を考えてるのかわかんないと思ったんですよね。中途半端に綺麗事を言ったり。それが皇治の面白いところなのかもしれないですけど、最近はあの鼻につくキャラクターをあえて演じてるのかなって思っちゃったんですよ。
――世間が描く“皇治”を田中宏治を演じてるというか。
平本 はい。 そこまでの領域にきてるんなんじゃないかって。
――皇治評論家からすると、K-1時代の皇治とは違うんですかね?
平本 まずK-1にいた頃の方がまだもうちょっと強かったんじゃね?って思うんですけどね。 どんどんどんどん戦い方がヘタになっていくというか。K-1で島野浩太朗という元Krushのチャンピオンの試合をしたときは普通にうまく戦ってたんですよ。ダウンを2回ぐらい取ってるし、あれはいい試合だったなと思ってて。でも、そのうちダメになっていって。
――そもそも平本選手はなんで皇治選手のことがそんなに嫌いなんですか?
平本 理由はないんですよね。
――理由がないのにそんなに嫌いになるんですか(笑)。
平本 とくに個人的に何かあったっていうわけじゃないんですよ。これだけ皇治のことを言ってると関係者の人が「皇治くんが平本くんはなんであんなに言ってくるんだろう?って気にかけてるよ」と。
――そりゃそうですよ (笑)。
平本 マジで理由はないんですよね。理由はないけど鼻につくだけで。 皇治と試合をする気もないし。「違う階級の選手にいろいろ言ってどうなんだ?」っていう声も飛んでくるんですけど、 なんで思ったことをガマンしなきゃいけないんだって。
――嫌いなものを「嫌いだ」と言って何が悪いんだと。
平本 表現者としてひとつのアピールポイントと思うんですよ、「俺はこいつは嫌いだよ」って言い続けることって。平本蓮の生き方としてはひとつの選択肢というか。「いつまで皇治のこと言ってるんだ」って言われるんですけど、俺はずっと言い続ける。 今回の皇治の試合が終わったあと、なかなかツイートしないのってでずっとスタンバッてたんですよ。ようやくアップしたと思ったら謝罪ツイートに自分の入院写真を3枚もアップしてて。酸素マスク姿とか大袈裟すぎますよ。 ああいうものを載せることによって炎上を和らげようとしてるとしか思えないんですよね。
――「俺も大変なんやで」と。
平本 みんな大変ですよ。格闘家ならケガぐらい隠せと思いますよ。 俺は「試合中にこんなケガをした」とか「ケガをしてるのに試合をした」とか言ったことないですよ。そんなこと自分の口から言ったら終わりだと思うんですね。 皇治の場合は新規のファンじゃなくて。いまいる皇治ファンの慰めを待ってるんですよね。
――バッティングのクセって直ると思いますか?
平本 直そうと思えば絶対に直りますよ。 格闘技って頭で考えて練習できる人と、決まった練習しかできない人の2つに分かれてて。1日6時間ぐらい何も考えずに練習をこなす選手もいれば、頭を使って 2時間パッと集中してやれる人もいる。前者は伸びないですよ。皇治はファイトスタイル的にもちゃんと考えてないからバッティングが起きるんじゃないですかね。どれだけ練習環境をよくしても。結局自分で考えてないから成長しないのかなって。 なんか、もう何も言えねえって感じですよ。
――もういろいろ言い過ぎてますよ!(笑)。
平本 そうなんですけど、何かひとこと言ってやんなきゃしょうがねえなと思って。
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コメント
コメントを書くやっぱり平本選手はいいですね。次戦も楽しみにしています。
ありのままが1番共感できますね。
一万文字も平本節を堪能できて最高でした(笑)
海外へ行ってもリモートインタビュー希望です!
皇治評論家
ここで噴いた
平本選手の魅力がとても伝わりました。
最高のインタビュー。自分が魔裟斗を嫌いな理由を平本選手がドンピシャで言語化してくれてスッキリしました。
平本蓮選手のインタビューは2週間に1回ペースでみたい!
アメリカで練習して強くなるならアメリカで練習してる奴はみんな強くなっちゃうよな
直近40ヶ月で1勝しかしていない超一流の格闘家の言うこと考え方は全て正しい
私は現役時代から今も魔裟斗のファンですが、最近はほとんどの選手が「憧れてました」と言っててちょっと神格化されすぎじゃないかなぁと思ってました。
そういう意味では平本選手のような存在はありかなぁとは思います。
魔裟斗だって常に正しいことを言うわけでもないですからね。
平本選手いいなあ