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ROAD TO UFCにエントリーしたDEEPフェザー級暫定王者・神田コウヤインタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)

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――
ROAD TO UFC(以下RTU)1回戦目前ですが、体調のほうはいかがですか?

神田 体調はいい感じです。体重も順調ですね。

――
試合は26日ですが。開催地の上海には何日頃に入るんですか?

神田
 22日なので、ちょうど1週間後ですね。

――
中国には行ったことはあるんですか?

神田
 いや、ないです。海外で試合をすること自体が初めてです。

――
海外だと不慣れなことが多いって話ですよね。

神田
 でも、今回はUFCの管轄で行なわれるので、そこらへんのサポートをしっかりしてるのかなって。ホテルの部屋に浴槽もあるし、食事面でもしっかりサポートはしてもらえるんじゃないかなって思ってます。もちろん自分でもあらかじめ準備していきますけど。

――海外のホテルの部屋に浴槽がなくて減量に苦労する話はよく聞きますね。

神田
 浴槽がないのは厳しいですねぇ。ちょっと自分では考えられない。落とせないかもしれないです(苦笑)。

――
先に浴槽の有無がわかって安心できますね(笑)。このRTUの出場って、いつぐらいに決まったんですか?

神田
 いつぐらいかな? けっこう前ですよ。前回の試合(2月DEEP/五明宏人戦)が終わったあとくらいですね。とくに他の団体から具体的なオファーがあったわけじゃないし、すぐに決めました。UFCの試合前から試合が終わるまでの一連の流れを味わってみたかったんですよね。世界最高峰の団体がどういう感じで運営されてるのか興味があって。RTUはこれ以上ないタイミングだなと。これ以上、早くても遅くてもダメかなっていうふうに自分で思ってたいので。

――RTUがなかったらDEEPフェザー級暫定王者として、夏頃のDEEPで牛久絢太郎とフェザー級ベルト統一戦という流れもあったわけですよね。

神田
 それもなんだろうな。RTUの話があったときはまだ牛久選手と朝倉未来選手の試合前だったので。その試合の結果次第では、どうなるかわからないところはありました。

――
話を聞くかぎり、先にRIZINやONEのオファーがあったら、そっちを選んでいた可能性もあったということですね。

神田
 そうですね。タイミングの問題だと思います。でも、ONEだったらちょっと考えちゃいますけどね。

――
ONEがあんまりなのは何か理由があるんですか?

神田 いや、とくにはないですけど、日本人が試合してる印象があんまりないので……。

――
「定期的に使ってもらえるのか?」ってことですね。RIZINのフェザー級もいまのところ枠がパンパンですけど、神田選手はチャンスがありそうでない感じはイライラしなかったですかね?(笑)。

神田
 あー、そうですね(笑)。

――
どうやってそのイライラを消化してるんだろうって。

神田
 それはやっぱり戦って勝つことですね。戦うことで怨念を……。

――
怨念ですか!(笑)。

神田
 はい(笑)。戦って勝って怨念を成仏させています。イライラというか、憤りは励みになってるところはありますね。

――
神田選手って身長180センチでリーチも長くて、めちゃくちゃ戦いづらそうだから、変な話RIZINで対戦候補リストの中に名前があったら、相手から選ばれずらいというか……。

神田
 ああ、そうだと思います(笑)。

――
自覚はあるんですね(笑)。 

神田
 でも、異質だからこそ使ってくれないかなって思っちゃうんですけどね。このリーチの長さ、ヒジとヒザの攻撃があって、レスリングがバックボーンって他にいないですよね。

――いや、だからこそ相手からすれば厄介なんだと思います!(笑)。

神田
 なるほど(笑)。その選手を使うぐらいなら、自分を使ってくれよ……って思うときはありますね。

――
そういうイライラをエネルギーに変えてるわけですね。神田選手って体格的に外国人相手でも苦にしなさそうですね。

神田 外国人と戦うのは初めてなんですけど、たとえば今回のトーナメントの中だったらいちばんリーチあるんじゃないかなって。だから外国人だからって、とくに意識することはないですね。

――
ホントに楽しみです! 神田選手はPRIDEから格闘技に興味を持たれたんですよね。

神田 父親の影響で好きになりました。一緒にテレビでPRIDEを見たりしてましたし。好きな選手は重量級だとヒョードルで、中量級だとやっぱり五味(隆典)さんですね。

――
そこから格闘家を目指そうと。

神田
 PRIDEから格闘家になりたいと思いました。最初は柔道を始めて、柔術、レスリング……総合格闘家になるために必要な格闘技を付け足してきた感じです。

――
神田選手も「総合格闘技の申し子」って感じです(笑)。あと意外なところでは駅伝もやっていたり。

神田
 やってました。駅伝は格闘技の準備ではなかったですけど(笑)。身体を動かすのが好きだったので、小学校の4年生から駅伝を始めて中学生までやりました。

――子供の頃に足が速い人って運動神経抜群のイメージがありますけど、神田選手も?

神田
 いや、そういうわけじゃないです。スポーツテストの評価が高いわけじゃなかったですし、球技も全然できなかったので。短距離が速いってわけじゃなくて、とにかく根性で長距離を走るって感じで(笑)。

――
高校に入ってからレスリングを始めたわけですが、いまでも所属するパラエストラ柏にはいつ頃から通われていたんですか?

神田
 小学4年生から通ってました。

――
ということは15年近く前。その頃のパラエストラ柏って誰がいたんですかね。

神田 いま沖縄でジムをやっている松根(良太)さん、いまでも選手だと扇久保(博正)さん。キッズだったら(浅倉)カンナ、(鶴屋)怜。

――
カンナちゃんたちとは古い付き合いなんですね。

神田
 まあ自分も途中で高校や大学のレスリングをやってて、ずっといたわけじゃないんですけど、その頃から認識はしてますね。

――
当時はPRIDEブームだったとはいえ、子供に格闘技を習わせようという雰囲気っていまほどはなかった記憶があるんですよね。

神田
 たしかにキッズはそんなにいなかったですね。いま自分はジムのインストラクターをやってますけど、普通にクラスで30人とか集まるんですが、当時はもう10人くらいで。

――
いまは子供の習い事として格闘技が認知されているわけですね。

神田
 あといまはキッズだけじゃなくて、10代の子が多いなっていう印象はあります。ただ、当時の話を聞くと「昔はもっと競争が激しかった」と。そこで優勝するのは本当に強い選手だったってことですかね。

――
要するにいまは一般ジム会員は増えてるけど、プロ志望はどうなのかって話ですね。いまは各団体が新人発掘的企画をやってるから、選手が分散しているのかもしれないですけど。

神田
 ああ、そうですね。いまは選手の数は少なくはないと思うんで、昔と比べていろんな団体ができたってことはあるんでしょうね。

――
あと近代MMAは身につくまで時間がかかるというか、やることが多すぎて継続するのは難しい。昔はレスリングや柔道から転向したら、それなりに通用したもんですけど。

神田
 めちゃくちゃ時間かかりますね。自分もそうでした。正直、想像していた以上に総合格闘技は難しくて。見てるときは「もっとこうすればいいのに」って思ってたんですけど、いざやってみると……。

――
グレコローマンで実績のあった神田選手も戸惑う、と。レスリングだけでなんとかなる世界じゃなくなってきたってことですね。<会員ページへ続く>
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