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RIZIN3月大会で井上直樹と対戦する
佐藤将光インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)
――予定では1月7日に収録するはずが、取材当日に体調を崩されて。今日1月14日に変更になったわけですけど、お身体はいかがですか?

将光
 もう回復してます。年が明けて仕事を始めるというときにひさしぶりに身体に響く風邪でしたね(苦笑)。

――
大晦日のRIZINではカード発表(3月神戸・井上直樹戦)で挨拶されました。

将光
 そうですね。大晦日にも試合の話はあったんですが、いろいろあって流れちゃったって感じですね。

――
挨拶したときに「来年のRIZIN、1年しっかり盛り上げて行く」と言われてましたけど、これはつまり今年はRIZINで何試合かするということですか?

将光
 そうです。12月にRIZIN事務所で話をして、そこで契約を決めました。

――
榊原さんとのツーショットがアップされたときですね。

将光
 そのときです。

――
あのときは大晦日の試合の話はなくなっていたんですか?

将光
 なくなってから2~3週間くらい経ってましたね。

――
名古屋大会の太田忍戦はスクランブルだったからその後のことは決まっていなかったと思うのですが、大晦日のオファーの時はどんな話だったんですか?

将光
 大晦日のオファーはまだ詳しく決まってなくて、とりあえず試合の話だけ進んでいましたね。もし交渉が進めば、どういう契約形態になるかの話になっていたかもしれない。

――将光選手はONEでなかなか試合が組まれなかったこともあって、自由に動ける1試合契約にこだわりがあったようですけども。今年1年はRIZINで試合することに決めた何か理由はありますか?

将光
 やっぱり「対話」ができることがボクの中では大事なところで。ONEのときはどうなっているのかよくわからない。今回の決め手になったのは試合のたびにRIZINと「対話」ができることですね。1試合ごとに次はどうしていくかを相談しながらやっていける。「こういう相手とやりたい」とか話し合いながら一緒にやっていけそうなので。あとは今年のPFLはまだバンタム級のリーグはやらない。そこも大きな要因のひとつ。「Road to UFC」にも呼ばれるかわからない状況の中でキャリアを重ねていくよりも、仕事がしっかりあるところでやったほうがいいなと。

――そこは定期的に試合を確保していけるわけですね。

将光
 そうですね。「対話」できることは大事だと思います。試合があるのか、ないのか。何月ぐらいにあるという話をできるだけでも助かるし、こちらもスケジュールを組みやすい。もちろんいつでもできるように準備してないといけないんですけど。

――
実際、太田忍戦はショートノーティスでした。

将光
 というか、ずっとそんな感じなので慣れたんですけど(苦笑)。そういう思いはいっぱいしてきたから、相談できるのはありがたいなと。

――
いつ試合があるかわからないまま練習を重ねるのはモヤモヤしますよね……。

将光
 3ヵ月も準備期間がある試合は初めてじゃないですかね(笑)。何かのトーナメントで次の試合が3ヵ月後とかはあったかもしれないですけど。それに井上選手という強い格闘家に当ててもらえたので、モチベーションが上がりますね。

――
井上選手の印象は?

将光
 格闘エリート。小さいときから白心会で空手をやっていて、総合でも最初から強かった記憶がある。お姉ちゃん(魅津希)も強くて、兄弟でUFCと契約したエリートですよね。最初はストライカーの印象があったけど、グラップリングもけっこううまいなって。スリーパーや寝技のフィニッシュが多いし、穴がない。試合に向けてずっと映像を見てるんですけど、井上選手の攻略法は見えてこないんですよ(笑)。

――攻略法がない!

将光 いまはなんでもできて穴がないから「どう攻めていこうかな」って考えてるんですけど、見つからなくて答えがグルグル。それが楽しい。解けない問題のほうが楽しいです。そんな強い相手を攻略したときの達成感があるし、目標を向けて作ってるときが楽しい。たとえばタイプ的にチャートで一箇所だけ秀でてるというか、デコボコがある選手だったら「ここだけはさせないで、これをやろう」とプランは立てやすいんだけど。井上選手の場合はどこからでもできるので、小さい隙間を見つけて、そこをどうやって広げていけるか。

――井上選手がRIZINで負けた相手は扇久保博正選手とアーチュレッタの2試合。どちらも序盤は井上選手がリードしてましたが……。

将光 扇久保選手との試合で井上選手は途中で拳をケガしちゃったって聞いてます。アーチュレッタ戦も、アメリカに練習に行って速攻でヒザをケガして全然練習できない状態だったとか。それであそこまでできるのは、すごい強いなって思って。

――
井上直樹最大の弱点は練習をセーブできないことだったり。大晦日も手術明けで出るか・出ないか1週間考えたらしいんですけど、万全の状態にして春の試合に臨むと。

将光
 しっかり作ってきてくれればすごい状態の彼と戦えるわけですね。

――もう見る側には想像もつかないですけど、「いまのところ攻略法が見つからない相手」と向き合うマインドはどういうものがあるんでしょうか……。

将光 格闘技をやってるかぎりは強い奴とやりたくてやってるから、そういう選手と闘える機会はうれしいですよね。おいしい相手を選んで勝って喜ぶ選手もいるとは思うんだけど(笑)。

――
将光選手の「おいしさ」とはまた違うわけですね(笑)。

将光
 そこは何が目的かによると思うんですけど、お金がほしければそういう試合をずっとやってればいいし、まあ自分の場合は強い奴と戦うことにやりがいを感じてるから井上選手のような強い人とやりたい。やっぱり強い奴を倒したときに得られる達成感を欲しているところはあると思います。

――
強敵と戦うために準備・対策をするから自分のレベルも上がっていくんでしょうね。

将光
 たとえば学生のときに足し算や掛け算を解いてもべつに達成感はない。自分が解けるか・解けないか微妙なところの方程式を解いたときの快感に近いと思うんですよ。

――
井上直樹という名の方程式に挑むと。

将光
 ハードルが高いほうが飛んだときの達成感も大きいね。すごく強い選手を倒したときの満足度が高い。

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◎立ち技からのMMA転向に思うこと……まだまだ続く
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