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超RIZIN3で引退を懸けてヒロヤと戦った所英男インタビューです!(聞き手/松下ミワ)

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☆サイバー攻撃により停止中だったニコニコチャンネルが復活! この記事は6月15日にnote版に掲載されたものになります。



――
超RIZIN3でのヒロヤ戦が発表されましたが、記者会見では「負けたら引退」ということを宣言し忘れてしまうという、まさかの事態もあって(笑)。

 いやー、自分でもビックリしました!

――ハハハハハ!

 あの会見にはみんな凄い選手ばっかり出ていたじゃないですか。だから、そのあと自分にマイクが回ってこないんじゃないかと思って焦りましたね。「うわ、ヤバい、ヤバい」って。

――じゃあ、そのあと記者の方が質問しなかったら危なかったんですね。

 「どうしよう、どうしよう」でした。あれはちょっとビックリしましたねえ。

――いや、こっちがビックリですよ! その引退というのはいつぐらいから頭にあったんですか?

 もう、前からです。最近は「これが最後、これが最後」みたいなつもりだったんですけど、やっぱり続けちゃうんですよねえ。アラン・ヒロ・ヤマニハ戦で負けたときも「ああ、もうこれはダメだな」と思いましたし、ジョン・ドットソン選手のときも同じ気持ちで。神龍(誠)選手のときも「もう1回バンタムで試合したら終わりかなあ」みたいな。結局やめてないんですけど、このままズルズルいってもなあと。

――どこかでケジメをつけたかった部分もあったんですかね。

 ああ、そんな感じですね。まあ、自分の思っている動きと実際の試合の動きが離れているのは前から思ってたんですけど、やっぱりいまRIZINのおかげで応援してくれる人が増えてきてて。期待に応えられてなくて申し訳ないなと思ったり。そうやって自分を追い込んでたりもしたんですけど。

――じゃあ、神龍戦のあとくらいからなんとなく引退が頭によぎっていた、と?

 うーん、神龍戦の前って誰との試合ですっけ?

――太田忍選手です。

 ああ、じゃあそうですかね。まあ、堀口(恭司)選手とやったときも「これで終わりかなあ」と思ってたんですけどね。そのあとにKIDさんが亡くなって、目標もなくなって、という感じだったんで、ようやくケジメを、はい。

――SNSでも「前みたいに動けなくなった」と発信されてたことがありましたよね。

 まあ、理想だけは高いんですけど、昔だったら何も考えないでも動けてたようなことが、いまだと「ああ」と思ったらその展開が終わってたり、また次の場面で「ああ」と思ったら相手にやられてたり。なんか追いついてないですよねえ。ヒロとの試合でも「あれ? あれ? あれ?」で終わってましたから。

――そういう「あれ?」というのは日常生活でもあるんですか?

 日常生活はそんなのばっかりです。

――マズイじゃないですか(笑)。

 誰かに何か言われて、あとで「ああ、あの言葉ってそういう意味か。ちくしょう」とか思ったり。だから、試合でも前からそうなってたんでしょうけど、それに気づくのもやっぱり遅かったのかなって。まあ、でも「東京オリンピックまではやりたい」と言ってたぐらいなんで。

――もう次のパリ五輪がそこまで迫ってきてます(笑)。

 だから、充分やらせていただいたというのはありますね。

――ただ「負けたら引退」というのは、勝てばやめないということですよね?

 やっぱり、まだやってたいんですよねえ。だって、こんなに楽しいことはないなって思うじゃないですか。

――つまり、まだ引退したくない。

 やめたくないです!

――じゃあ、なんで「負けたら引退」とか言っちゃうですか!

 だから、本音をいうとずっと格闘技をやってたいんですけど、ボクはRIZINで引退できたらなという思いがあったので。なんか、RIZINって一番最初からそういう感じのコンセプトでしたよね? 

――ええっと、そういえば3つの柱みたいなのがありましたね。忘れかけてましたけど「息吹」「完結」「未来」の3つみたいです。

 でも、こういうRIZINという舞台に出させていただくためには、やっぱりそれなりのレベルじゃないと出る資格はないんで。本当にボクより強い人なんか、若い子たちはどんだけでもいますし。だって、あんな華やかな舞台ないですよ。で、ボクにはもうホームリングもないですし。昔だったらZSTで引退試合……はあったのかもしれないですけど。

――帰る場所がないですか。

 どこにもないです。本当にないですよね。

――RIZINで引退したいというのは、やっぱり親交の深い佐藤大輔さんの存在も大きかったんですか?

 もう本当……恩がめちゃくちゃあるんですよ、佐藤さんには。じつは、RIZINに出るときにちょっとボクの周りでいろいろ起きて。もう格闘技ができないんじゃないかというところまで考えて、毎日泣いて泣いて。RIZIN事務所で泣いたこともあるんですけど、そこを救ってくれたのが佐藤さんでした。常に連絡を取って話し合いをしてくれましたし、あのVTRとかもボクの中では凄くいい思い出になっているので。

――DREAMが始まったときは所選手はHERO’S側、 佐藤大輔さんは PRIDE側でもともと“敵”だった関係性ですが(笑)。

 会うのもちょっとためらうような(笑)。でも、本当に助けてもらって。佐藤さんにもRIZINにも感謝です。

――「負けたら引退」というのをRIZIN側に伝える中で、今回の相手にヒロヤ選手の名前が挙がってきたというのはどうでした?

 いやー、うれしかったです。まさか、ボクと試合してもらえるなんて思ってなかったんで。

――そ、そうなんですか?

 だって、いまをときめく選手じゃないですか。ヒロヤ選手も連敗してましたけど、新井丈選手に勝ったあとなんで、ここで自分なんか相手にされないだろうなと思ったんですけど、戦ってくれるというのを聞いてビックリしましたね。「ありがとうございます!」って感じです。


――そもそもヒロヤ選手にはどんな印象がありますか?

 最初は金原(正徳)さんから「ヒロヤ選手ってどうなんですか?」と言われたんですけど、それまでは正直あんまり見てはいなかったんですよね。ただ、対戦するという目で見るとめちゃくちゃいい選手だなって。中村優作戦も凄くよかったですし、その前の伊藤裕樹選手も見返したら凄い試合をしてて。気持ちのいい選手ですよね。勝っても負けても印象が残るいい選手だなって。

――たしかに、ヒロヤ選手ってお客さんの気持ちを惹きつける選手ですよね。

 いやー、気がついたら応援してますよね。だからって戦績がいいわけじゃないんですけど、プロ選手ですよね。

――そういう意味では、所選手と同じですね。

 自分は……いやあ、もうVTJくらいからそんな試合はできてないですよ。

――え、太田戦とか最高でしたけど。

 太田選手は、いまやったら殺されますけどね(苦笑)。

――山本アーセン戦も素晴らしかったですし。

 ああ、アーセン戦か……。

――もしかして記憶から飛んでます?(笑)。

 もう、よくない思い出しか出てこないんですよ。いい思い出がまったく出てこない。

――思い出してください! そんなヒロヤ選手との対戦となると、どっちが会場の気持ちを掴むのかも楽しみですよね。

 まあでも、若い観客のほうが多いから……。昔、応援してくれてた人、「戻ってきてください!」と凄く思いますね。


・金原正徳とのハードなタイ合宿
・冬の時代の思い出
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・最後は●●と戦って終わりたい
・格闘家はいい奥さんと結婚するべき……1万字インタビューはまだまだ続くへ

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