
UFCの契約がかかったRTUトーナメント1回戦、フライ・バンタム・フェザー・ライトの4部門に8名の日本人がエントリーしたが、唯一生き残ったのがフェザー級の中村京一郎だ。EXFIGHT所属で髙谷裕之や岡見勇信がコーチ。12000字インタビューで人となりに迫りました!(聞き手/ジャン斉藤)
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・髙谷裕之インタビュー「LDH martial arts」が格闘技の未来をつくる
・岡見勇信が語る世界に勝つ方法「中村倫也にGSPの姿が見えた」
・いぶし銀のMMA職人・佐藤将光のアタマの中
――そのPRIDEのシャツ、めちゃくちゃカッコいいですね!どこで買われたんですか?
――へえー!ここ最近のPRIDEグッズの中では一番いい感じですよ。
中村 めちゃくちゃかっこいいですし、ボクはPRIDEを見て育ったんで、すっげぇ嬉しくて。ヘビロテで着ちゃってるから、すぐに黄ばんじゃいそうで怖いですけど(笑)。
――PRIDEの後継イベントはRIZINなんですけど。中村選手はABEMAの「格闘代理戦争」で優勝してRIZIN出場権ゲットしたものの、結局出場せず。MMAPLANETのインタビューでは条件が合わずに断ったと。
中村 あー、はい。その話、みんな好きっすね(笑)。
――ダウトベック戦でオープニングファイトというオファーが気に入らず……ということですけど
中村 それ、ヤバイじゃないですか。だって、ダウトベックっていまはフェザー級トップ戦線にいるんですよ。「そいつと第1試合でやらせんの?」って。
中村 えっ?
――第1試合には会場の熱気を高めてもらう役目があるというか、ダウトベックと中村選手なら盛り上がるという目論見があったんだろうなと。
中村 あっ、そういうことなんですか!?
――じつはそうなんですよ! 今日の取材はもちろんRTUの話がメインなんですけど、このことを中村選手にぜひ伝えたくて(笑)。
中村 へぇー、そうなんすね。めっちゃ誤解してましたわ。ありがとうございます(笑)。
――中村さんのチームの高谷(裕之)さんや岡見(勇信)さんがダウトベック戦はまだ早すぎるということで、このオファーを断るのはよくわかるんですけど。
中村 萩原(京平)選手との絡みもあったんで、「ダウトベックなんか……」っていうところは内心あったんですけど。ボクはやると言ってたんですけど、高谷さんや岡見さんも「いまじゃなくていいんじゃないの?」って。
――その選択はよくわかります。
中村 でも、オープニングファイトの件は誤解してました。これからRIZINをそういう目で見れます(笑)。ボクはRIZINが好きなんで、毎大会見てるんですよ。北海道大会も男祭りも見たし、RIZINはすげぇ団体ですよね。
――今日は格闘家になった経緯を含めていろいろとお伺いしたんですが、RTU1回戦のKO勝ちはめちゃくちゃかっこよかったです!
中村 ありがとうございます。みんなに大絶賛してもらってよかったです(笑)。
中村 いやー、終わってみたらいいKOだったなと思うんですけど、倒れた相手が起きてこなさすぎて、客もかなり引いてたし……。
――ああ、ちょっと心配になる倒れ方でしたねぇ。
中村 試合が終わった直後はあんまり深く考えてなかったんですけど。あんまりにも倒れてる時間が長かったんで、そこでファイターとしての自覚を持ったっすね。
中村 そうそう。いや、本当にマジで「死んだんじゃないかな……」って思うぐらい起きてこなかった。客も試合直後は「おーっ!」って騒いだけど、リプレイが流れたら引いてましたからね。変な話ですけど、相手が痙攣してたからちょっと安心して。
――痙攣イコール反応があるってことですもんね。
中村 立たせるまでの時間がけっこう長かったんで、ケージの中に入ってんのに初めて心を落ち着かせましたね。そんな自分を客観的に見たら「俺、日本人だなあ……」って。
――勝ったからといって、大はしゃぎしないあたりが。
中村 そうすね。ボクは憎しみで格闘技をやってないし、リスペクトを持って試合に臨んでいるんで。あらためて命を預かっている仕事、スポーツだなあと勉強になりましたね。自分がファイターとしてもうひとつ上に行く心構えにはなったかなって。試合内容ももちろんよかったですけど、それ以上に得たものは大きかったです。ボク的には深い試合でした。
――フィニッシュまでの過程を振り返ってみて思うところはありますか?
――あ、そうだったんですか。
中村 相手はケージレスリングが得意なタイプということで、その研究はしてましたけど。レスリングをしっかり切って、打撃を当てる。1ラウンド目は何回かテイク切れてました。だから身体が無意識にタックルを切る距離を把握できていたのかなあと思ってて。1ラウンド目にちゃんと切れてたからこそ出た2ラウンド目のヒザ。だって、あんなことは練習でやれないじゃないですか(笑)。
――たしかに(笑)。
中村 あのヒザは勝手に引き出された感じはありますね。
――じゃあ、ヒザを当てた瞬間、自分でも驚きはあったんですか?
中村 いや、いつもそうなんですけど、試合ってレフェリーに止められるまでだと思ってるんで。感覚的にもローが1発当たるとか、ジャブが1発2発当たるみたいな感覚とあんまり変わらず。だからヒザを当てたあと、相手をケージ側に寄せてパウンドを2発打ち込んでるんですね。
――しっかりと追撃を。
中村 あのヒザを狙っていたら、パウンドを打たずに終わってたかもしれないし、芯を食った意識はなかったから追撃もめちゃくちゃ早かったし。だから「仕留めたぜ!」みたいな感じはなかったです。
――つまり今回のフィニッシュはしっかりとMMAに取り組んできた成果でもあるんですね。
中村 デビュー戦は一本負けから始まったけど、『格闘代理戦争』では柔術の黒帯の2人に勝って。試合や練習で積み上げてきたMMAをやれた感じはあるすよね。
中村 あ、それは聞きたいな(笑)。
中村 ああ、そうっすね。たしかにちょっと空間を作って打ってましたね。マジで無意識です。日々の練習で身体に刷り込まれて、脳じゃなくても細胞で動いている感じが近いのかって。
――あー、裏を欠いてきた。
中村 そこで張りすぎていると、意表を突かれて戸惑って動きが止まっちゃう。そうなると無意識や感覚では動けないじゃないですか。サウスポーとオーソ、どっちも練習してるんならいいですけど。
――そこは駆け引きもあるわけですね。
中村 めちゃくちゃ駆け引きですよね。勝つために何をやってもいいのがMMAだと思うんで。今回の相手もちゃんと考えてるなぁ、いい選手だなって。
――海外の試合はどうでした?日本でやるときではルーティンも違うじゃないですか。
中村 (中村)倫也さんのセコンドでアナハイムに行かせてもらったんで、あのときUFCの勝手みたいなものを経験できたのはすごい大きかったですね。今回の上海で初めてホテルで水抜きしましたけど。
――海外だと減量に苦戦する選手もいますよね。
中村 ヤバかったです。ボクは減量は得意というか、計量の当日まで朝メシを食っちゃうタイプなんで、高谷さんから「オマエまだ食ってんの。もう食うなよ」と言われるくらいメシも楽しんじゃって(笑)。で、いつもは水抜き4キロ以下なんですけど、今回は7キロぐらいになっちゃって。
――大ピンチじゃないですか!
中村 たぶん中国料理のせいだったんですよ。意外と油が多いじゃないですか。
――中国料理の油のせいで(笑)。
中村 かなりイレギュラーだったんですけど、普通に落ちました(笑)。食べた量的には問題なかったんですけど、オイルをやっぱり取っちゃったんで。油って水より軽いから上に張るじゃないですか。水が身体の外に出ずらい状態になって、体重だけがただ増えてくっていう。
――じゃあ、試合前は中国料理禁止ですね(笑)。
中村 いや、次の試合も上海ですから(笑)。まあ、一度こういう体験ができてよかったなと。上海にも日本食はあったんですけど、リカバリーで食べただけで、それまでは普通に中国のご飯を食べてたんで。もちろんUFCからもフードが出るんですけど、俺はそんなんじゃ足りないんで(笑)。「オマエ、これ以上食うの?」みたいに言われてフル飯でしたけど。
――「量は食べてないんです!オイルのせいなんです!」なんて言い訳は無理ですよね(笑)。
中村 だから初めての海外の試合で、いろいろ勉強になったなっていう感じでしたね。
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