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RIZIN北海道大会で衝撃のRIZINデビューを飾った安藤達也インタビュー。2010年代に「怪物」と呼ばれ、将来を嘱望された男の流浪の格闘技人生を振り返っていただきました!(聞き手/ジャン斉藤)

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・RIZIN離脱……高田延彦という後味の悪い男




安藤
 そのTシャツ、『花様年華』のやつですよね。好きなんですか?

――ウォン・カーウァイ作品が好きなんですよね。今年は『花様年華』公開25周年記念ということで、なぜかTシャツが出たんですよ(笑)。

安藤
 そうなんですね(笑)。これ、映像がいいですよね。

――
スタイリッシュですよね。安藤選手は絵を描いたり、アート方面でも活動されてますよね。

安藤
 ああ、そうっすね。そういう仲間に引き寄せられてるというか、引き寄せてるというか(笑)。

――
今日はそのへんのお話も伺います!RIZIN初参戦となった北海道大会はものすごい勝ちっぷりでしたけど、周囲の反響はどうだったんですか?

安藤
 すごかったです。やっぱRIZINの注目度の高さをあらためて感じさせてもらった感じですね。

――
安藤選手は「RIZINに出ない」と思ってるファンは多かったですし、「こんな格闘家がいるんだ」って驚いてるファンもかなりいたんですよ。
 
安藤 修斗、DEEP、パンクラスとか格闘技をしっかり見ていた人は、以前から自分のことをチェックしてくれていたと思うし、そこの団体にはいまでも素晴らしい選手がたくさんいますからね。彼らをチェックすることで、RIZINがもっと面白く見れるようになると思いますね。 

――
RIZINからのオファーが来たときはどう思われましたか?

安藤
 自分は修斗時代からずっとプロモーターと直接交渉してきたんですけど。RIZINからはSNSを通じて連絡があって。

――
SNSからですか?

安藤 そうですね。

――
RIZINさんいわく「安藤選手は連絡がなかなか取りづらい」って言ってましたよ(笑)。 

安藤
 そうっすね(苦笑)。連絡があってもそこで一度納得してしまって、すぐに返信せず放置しちゃって。自分のタイミングで返すクセがあるんですよね。予定が流動的だから、いろいろやってるうちに後回しになって「やべぇ、2日経っちゃった……」とか。ちょっと病気みたいなところがあって。 

――
ボクも返信したつもりで放置するクセがあるのでよくわかります!(笑)。 

安藤
 迷惑をかけてるかもしれないので、なるべく直していきたいです。そういう面でも大人になりたいすね(笑)。 

――この取材直前にもRIZIN広報から「リマインドがあったので来ると思います」って連絡がありまして。来ない可能性もあるんだってドキドキしてました(笑)。

安藤
 ハハハハハ。じつは以前、煽りVの撮影があったときも、30分くらい遅刻して。車だったんですけど、高速の渋滞にはまっちゃって。 自分から遅れる連絡をすればよかったんですけど……ホント気をつけます(笑)。

――
あらためて初めてRIZINのリングに上がった感想はいかがでしたか? 

安藤
 めちゃくちゃよかった。イベントのすべての流れがものすごくスムーズで、すごい人たちが協力してあのリングが作られているんだなって。自分はRIZINに出るのは今回が初めてで。他のプロモーションがダメだったわけじゃないですけど、本当にすごかったです。

――
ファイターとして試合にすごく集中できたんですね。 

安藤
 北海道まで仲間や家族が見に来てたんですけど、あとから話を聞いたら、お客さんも最初は「安藤達也……?」みたいな感じだったらしいんですよね。でも、試合後は「全然反応が違ったね」。試合を見てぶち上がっていたと。 

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――
今回の対戦相手マゲラム・ガサンザデのオファーはどう思ったんですか? アゼルバイジャン出身で11勝1敗。前回は白川陸斗に完勝。フィニッシュされたことのない厄介な相手ですよね。

安藤
 最初は「よくわからない強い奴だな」と思って。みんなが対戦を嫌がるから俺に回ってきたのかなって(笑)。

――
ハハハハハハハ! 

安藤
 「じゃあ、俺がここで一肌脱いでやってやるか」と。強い奴を倒せば評価は上がるし、ある意味でチャンスをくれたんだから頑張ろうと思いましたね。 

――
さっきの返信放置じゃないけど、即答だったわけではないんですか?

安藤
 自分としてはやるしかないなって思ってたんですけど、すぐ飛びつくのもどうかと思ったので「少し考えさせてください」と。 RIZINとは去年の11月、12月頃から動き出して、最初は3月香川という話だったけど、いろいろあったみたいで6月の北海道でやると。まあ急いで作るよりも、かえって時間をもらえたのはよかったですね。あの相手が決まったのはわりと直近だったんですけど、準備はできていたので。 

――安藤選手が出ることは内定していたけれど、相手は決まった。ガサンザデの相手として呼ばれたというよりは、RIZINが安藤選手を出したいってことですね。 

安藤
 ということなんですかね。出ることにはなったけど、誰と戦うかはわかっていなくて。 

――
他に候補はいたんですか? 

安藤
 いちおうRIZINさんに「他に候補はいるんですか?」って聞いてみたら「ガサンザデ以外は考えてません」と。じゃあ、これはやるしかない。「安藤、これくらい勝たないと次はないぞ」って試練を与えられたのかなって。 

――
実際に圧勝したことでの反響もすごかったですし、こないだはRIZIN事務所では榊原CEOともお話されていましたね。 

安藤
 はい。発表はまだですけど、そこで7月のRIZINでヤン・ジヨン戦の話をもらいましたね。 

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――
それはいいカードです!

安藤 めちゃくちゃいいすよね。日本人は彼にけっこう負けてるじゃないですか。俺がここで止めないとなって。作戦を明かすことになるから詳しくは言えないっすけど、相性はいいかなって。自分のMMAの幅をしっかり見せられるいい機会だと思っていますね。 あとどうしても勝って言いたいことがあるんですよね。

――
へえー、勝ってから?

安藤
 勝ってからじゃないと言えないですかね。まあそこも楽しみにしていてくれれば。

――
安藤選手が短期間で連戦するのは最近では珍しいですね。 

安藤
 じつはケガをしていたり、追い込みが足りていない時期があったんですよね。修斗の環太平洋のタイトルを獲る前くらいまでは、本当にめちゃくちゃで。タバコも吸っていたし、減量するときに下剤を使ってたからスタミナも全然なくて。いまになってみれば、スタミナ不足の原因はそれか?と(笑)。

――
年齢とともにアップデートしていったわけですね(笑)。

安藤
 そういうことをやめて、ちゃんと練習するようになって、30歳を超えてからですね、良くなってきたのは。

――
若い頃は「天才」と言われてましたけど、けっこうムチャだったんですね。

安藤
 もちろん練習もしてたんですけど、バカだったので(笑)。自分は子供の頃からずっとスポーツをやってきたので、それがあってのムチャで。めちゃくちゃなだけで強くなれるわけではないすね。

――
練習をやったうえでメチャクチャだと。

安藤
 そうです(笑)。もう人生の半分以上はアスリートとして過ごしてますから。子供の頃から空手をやって、高校からレスリングを始めてタイトルを獲ってるし、大学でも毎日死ぬほどレスリングをやって。人生の半分以上はスポーツに時間を費やしてますからね。みんなは俺のことを「天才」「怪物」とか言うけど、自分なりに「それだけやってきた」という自信の裏打ちがあって。そうでなければ、リングに上がるときに自分に嘘をついているようなもんだから、あんなに自信を持って戦えないし、やらずに勝てるほど甘く世界じゃないですよ。

――才能だけでやれる競技ではないと。

安藤
 昔クレイジービーに通っていたときも、気合を入れていかないと怖かった場所ですもん(苦笑)。 

――
当時のクレイジービーは本当に怖かったんでしょうね(笑)。 

安藤
 いやあ、調子こいてる奴は叩き潰されるみたいな(笑)。それでも、KIDさんや朴(光哲)さんに当たりにいくと、先輩たちはちゃんと覚えていてくれるんですよね。トライブのときに金原(正徳)さんにボコられても行ってました。 金原さん、めちゃくちゃ怖かったですけど、そうやって向き合ってくれるのが格闘家として大事なことかなって。 

――
昔はプロ志望の新人にも容赦しない時代ですよね。

安藤
 本当に強い人しか生き残れないような環境で、通い続ける者だけが強くなっていくというか。 それはいまは時代に合わなかったり、変わってきているのかもしれないけど。キラキラした部分だけ見て「格闘技をやりたい!」という子が、練習でやられて恥を欠いても食らいついて。それで生き残った奴しかチャンピオンになれないことは、いまも昔も変わらないっすよね。

――
当時のKIDさんは人気がすごかったから、ミーハー感覚でクレイジービーにやってくる人も多かったんでしょうね。

安藤
 人間にはキャパシティがあるんで、入ってきた子、全員に優しく教えてらんないじゃないですか。間引きという言い方はよくないけど、本気でやりたい奴しか残れないようなやり方をしてたんじゃないかなって思いますね。

――
安藤選手のファイトスタイルや佇まいから、久しぶりにKIDさんの匂いがする格闘家だなって感じました。 

安藤
 いやいやいやいや……自分はホントにKIDさんのことが好きだっただけで。でも、プロになってキャリアを積んでいくうちに、憧れや誰かのマネだけではいけないなって気づいて。自分の強みや弱点を見つめて、自分らしくやることが重要だなって。格闘技を始めたときは無敗にこだわっていたんで、負けたときにすごく傷ついたんですけど。そういう経験があったからこそ、しっかり考えて自分で行動するようになりましたね。

――
憧れの存在はいても、自分自身をしっかり持たなければならないと。 

安藤
 憧れが強すぎるのはよくないっていうか。かえって近づかないようにしたほうがいいと思って。それで長南さんのトライブに入りましたね。

――
憧れるからこそ離れる。深いですねぇ。

安藤
 憧れのイメージを壊したくなかったっすね。 憧れてるばっかだと超えられないかなと思って。 でも、(堀口)恭司くんは超えていったんで、すごいですよ。ボクが格闘技を始める前に、同世代の恭司くんや矢地(祐介)くんがプロになってて。

――あの当時のクレイジービーを潜り抜けているんだから堀口選手や矢地選手もタフですよねぇ。

安藤
 そう思いますね。ボクは一応、出稽古という立場でたまに行かせてもらってたんですけど、かなり気合いを入れていかないと…… 「明日のスパーリングだから早く寝ないと」みたいな(笑)。 

――
トライブも厳しかったわけですよね。

安藤
 (若松)佑弥とは2日違いでジムに入ったんですよね。彼がこないだONEで世界チャンピオンになったのはホント嬉しかったですね。 「おおー、佑弥すごい!マジでチャンピオンになったああああ!」って。すごかったですよねぇ(しみじみと)。

――
いまのトライブは国内有数のジムとなって。

安藤
 “虎の穴”みたいな感じで言われてますよね。いい選手が集まってるし、そこは長南さんの指導力が大きいと思いますよ。ボクも長南さんに鍛えてもらってプロになれましたし。長南さんに教えてもらったことがボクのベースになってます。いろいろなテクニックを教えてもらったおかげで、海外で練習してもちゃんと理解できるというか。

――
でも、安藤選手はそのトライブを除名扱いになっちゃうじゃないですか。長南さんが「練習していない」と怒って。

・練習してないように見えたのは…
・長南さんには感謝がある
・絵を描くことは瞑想に近い
・UFCからは5回のオファーがあった
・パッチーミックスとのガチスパー
・RTUフェザー級エントリーの真相…12000字インタビューはまだまだ続く

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