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【全文公開】真剣30代格闘家鼎談〜川尻達也×大沢ケンジ×戸井田カツヤ〜
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【全文公開】真剣30代格闘家鼎談〜川尻達也×大沢ケンジ×戸井田カツヤ〜

2013-10-25 10:29

    川尻達也、ついにUFCと契約!……というわけで、格闘家・川尻の頭の中を探るべく、昨年7月に行なわれた大沢ケンジ選手、戸井田カツヤ氏たちとの鼎談をここに再掲載いたします。格闘家たちが何を考えどう闘いぬいているのか? 格闘技界きっての頭脳派たちの超わかりやすい“やる側”トーク!(聞き手/橋本宗洋)

    ――今日は現役格闘家お三方(※戸井田氏は当時現役)にお集まりいただいて、格闘家あるいは指導者としての立場でいろいろと語っていただきます。さっそくですが、今年に入ってから選手としての選択が話題になることが多いですけども、皆さんはどういうふうに考えてるんですか?

    大沢 それは試合に出る場所とかですよね?

    戸井田 場所かあ……。どうですか、川尻くん。

    大沢 みんな川尻くんに興味あるしょ? DREAMの活動が止まって青木くんがONEFCを選んだり、石田(光洋)くんが活動停止したりする中でじゃあ川尻くんはどうするのか? ってことに。

    川尻 う~ん、まだなんとも言えないですねぇ……。大沢さんはどう考えてるんですか?

    大沢 俺はケガがようやく治ったばかりだからさ、まだなんにも考えてない。かれこれ一年近く試合をしてないんだけど、生活的に焦りはないんですよ。

    川尻 大沢さんは道場経営してますもんね。 

    大沢 もともと道場を開いたのは、自分や嫁の親族に対して顔が立たないと思ったからなんだよね。それまでは選手として練習に集中してきたんだけど、格闘技を続けるためには、じつは生活を安定させないと無理じゃない。

    戸井田 ホントにそう。

    大沢 そりゃファイトマネーだけで食べていけるのが一番いいんだけど。

    戸井田 選手生活の基盤づくりは大切だよね。俺も最初は週一回のセミナーでお小遣い稼ぎしようと思っていたら予想よりも生徒が集まって、それで生活できるようになったからバイトをやめましたからね。そうしてるうちにジムの数もどんどん増えていって。

    大沢 今回のケガだってジムをやってなかったらゾッとするよ……。だって一年間、無職だったわけだから。

    戸井田 生活のことを考えてそのまま格闘技を辞めちゃう選手もいるだろうね。

    大沢 ボクは30になる手前ぐらいのときに、格闘技を本気でやるか、普通に仕事をして空いてる時間を使って格闘技をやるかを考えて。で、本気でやるならジム経営しかないって腹は括ったんです。これは極端な言い方だけど、ほかの仕事メインで格闘技やって、それで強くなっても自分的には意味のないところがありますよ。

    戸井田 一生懸命頑張ってきたことが人生で活きないってことね。俺も格闘技しかないですからね。それに自分がこうやってジム経営をしてるのは格闘技に対する恩返しだと思ってるんです。底辺を広げるってことは重要なことだから。

    大沢 川尻くんはジムやらないの?

    川尻 将来的にはやりたいなとずっと前から考えてはいますよ。現役もずっとやれるわけじゃないですから。

    戸井田 川尻くん、子どもが生まれたことで考え方が変わらなかった?

    川尻 ああ、凄く変わりましたね。

    大沢 俺は変わってないですよ。

    戸井田 変わってるじゃん。

    大沢 変わってないよ。自由だもん。

    戸井田 でも生活は子どもや奥さんに合わせるようになったでしょ?

    大沢 あ~、それはたしかにあるかも。

    戸井田 俺の娘はいま保育園に通ってて毎日18時頃に帰ってくるので、18時から20時までのジム指導はなくしてる。子どもが寝たあとにジムに行くとか、そういう生活にしてますね。

    川尻 ボクは子どもができて背負うものが凄いデカくなりましたね。前から負けられなかったけど、プレッシャーは強くなったし、それが良い方向に出たのか、結婚して子どもが生まれてから戦績的にはそんなに悪くないんで。

    戸井田 川尻くんは専業(試合のファイトマネーだけで生活しているファイター)だもんね。日本の専業ファイターって、青木くん川尻くんとか10人もいないでしょ。

    大沢 岡見(勇信)もそうだよね。でも、中には「どうやって生活してんの?」みたいな選手いるでしょ。

    戸井田 ◯◯◯さんですか? 名前は出せないけど(笑)。

    川尻 ああ、俺も凄く気になってるんですよ! 「◯◯◯さんってどうやって生活してるんだろう?」って……。

    大沢 格闘技界の七不思議ですよ!(笑)。

    戸井田 それはタニマチの存在でしょう。……あとは△☆¥&$%#したりとか。

    川尻 えぇ、なんですか、それ!?(笑)。

    ――いやあ、とても載せられない話ですね(笑)。そういう選手はタニマチに試合を見られてナンボだから、海外で試合をしたくないみたいですね。

    戸井田 それも格闘技を続けるための環境作りですよね、道場経営と同じで。

    川尻 でも、試合以外でそんなに稼げるんだったら、試合に必死にならないと思うんですよね。

    大沢 あ、オレがいつも心の糧にしてる川尻くんの言葉が出たよっ!

    川尻 そうなんですか(笑)。

    大沢 「そういう格闘家に一流はいないですよね」って言ってたでしょ。

    戸井田 たしかにいないよね。

    大沢 ボクは川尻くんの言葉を信じてやってます。でも、そういう甘えたヤツで、もしかしたらとんでもない怪物が出てくるかもしれないけど(笑)。

     ハハハハハ。例外はあるかもしれないけど「これで負けても生活できるし、給料は変わらない」と思ったら苦しいときに頑張れないですよ。オレ みたいな気持ちが強くない人はとくに。試合中、何回も諦めそうになることないですか? 「ここで諦めたら楽だよなあ……」って。

    大沢 あるある。

    川尻 そこで諦めないのは「ここで負けたら生きていけない」からじゃないですか。大沢さんだって負けたらジム経営自体、厳しくなりますよね?

    大沢 いや、ジム経営はね、オレの戦績は関係ないから。

    川尻 あ、そういうもんなんですか。

    戸井田 会員さんで、大沢ケンジ自体、わかんない人が多いじゃない?

    大沢 わかんないと思うんですよ。ときどき格闘技マニアの人が会員になりますけど。だって18歳ぐらいの子で所(英男)くんを知らなかったりしますからね。オレらの感覚からすると、所くんが一番名前が売れていると思うんだけど。

    戸井田 ちなみに所くんのジム(『リバーサルジム武蔵小杉 所プラス』)の会員は地元の人が多い。地元密着で地域の人が凄い応援してくれるみたい。

    大沢 あんまり選手の名前は関係ないよね。試合したら会員が増えるってわけじゃないし。

    戸井田 オレも試合の勝ち負けに集客は関係ない。まあ、影響があったのはPRIDE全盛の時期にPRIDEに出ていた選手とかだよ。

    大沢 選手目当てにジムに通う人はあまりいないよね。身体を動かしたり、あと技術をちょっと覚えることが目的の人が多い感じだし。

    戸井田 やっぱりフィットネスジムに通ってもそんなにおもしろくないでしょ。

    川尻 フィットネスクラブでボクササイズをやっていた女性の方がウチ(『T-BLOOD』)のジムにいるんですけど、実際にミットやサンドバッグを叩くほうが楽しいって言ってましたね。

    戸井田 あとはスパーリングというゲーム的なこともできるし、フィットネスは「痩せたい」とか「運動不足解消」という漠然とした目的はあるかもしれないけど、そんなの続くわけがなく。おもしろくないと継続はできないもんですよ。

    大沢 ちゃんと総合をやろうとしたら大変だけど、軽い気持ちでも楽しめるんだよね。そこでいま凄く気になってるのは、総合で29歳くらいだとちょっと若手の感覚ない? これから脂が乗ってくる年齢。

    川尻 ああ、あります。でも、昔、朝日(昇)さんが植松(直哉)くんと修斗でやったじゃないですか。あの頃、朝日さん自分のこと「オッサンだから」みたいによく言ってたんだけど、いまのボクたちの年齢とそんなに変わらないですよね?

    大沢 いまのオレのほうが上じゃないの? 当時はまだ総合格闘技もそんなに突き詰められてなくて、ボクシング的に考えると32歳は「オッサン」だったんだろうね。ボクシングジムって30ぐらいになったら「おまえ、成績残してないからやめろ」みたいな感じで追い出されるとか聞いたことがあるし……。本当かな?

    戸井田 総合は覚えることが多すぎるんですよね。20代の頃から始めて30代になってようやく形になるというか。

    大沢 この前もUFCを見て思ったんですけど、チェール・ソネンvsアンデウソン・シウバなんか36vs37歳の対決。 フォレスト・グリフィンvsティト・オーティスは33vs37歳。オッサン同士でやっているんですよね。

    戸井田 アンデウソン、あの歳であそこまでやれるって凄いっすよね。

    大沢 でも、30超えてから形になるってちょっと危険だと思うんですよね。次の人生に進めなくなるわけだから。

    川尻 第二の人生にスライドする時期と、選手として脂が乗ってくる時期が重なっちゃうみたいな。

    大沢 そうそう。総合をやりきって「じゃあ次の人生……」って言ったときにもう35歳だと厳しいでしょ。選手として大成する前に辞めちゃうケースが増えるかもしれないね。あと若いうちはロマンを捨てきれないから。「勝つためにはこういうふうに試合しなきゃいけない」と考えるのは30歳を超えてからでしょ。

    川尻 総合は経験を積んで賢くなりますね。ひとつのことを10年突き詰めたら、技術的にはもう伸びがないかなって思いますけど、まだまだ可能性を感じますよね。

    大沢 考えてみたら、川尻くんが肩固めを必殺技にしてることなんて、3年前とか信じられないもんね(笑)。

    川尻 やっぱり考え方もスタイルも変わりますよね。昔は「殴り合ってどっちが強いか」みたいな試合で勝ちたいっていう理想があったんですけど、日本(のマーケット)が元気なら40歳までやろうと思ったら、いかにしてダメージを溜めないで勝つか、自分の力を活かせるかって考えた結果ですよね、いまのスタイルは。

    大沢 川尻くんが凄いのはかなり早い時期から殴りあうことを捨てたんですよ。常にひとつ先を見据えたことを言っていて。でもたしかにボクも打ちあってるときは成績が安定していなかったんですよ。

    川尻 安定しないですよね。スタイルを変えたきっかけはエディ・アルバレス戦です。それまでは大晦日に(ギルバート・)メレンデスと殴り合ったりしても「あ、オレの顔ってパンチ効かないんだな」と思ってたんですよ。五味くんとやったときも顔は効かなかった。ボディは死ぬほど効いたんですけど。でも、エディにぶっ倒されて「このままじゃガイジンに敵わないな」って考え直して。※続く……

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