Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム。今回のテーマは革命的事業「WWE Network」!


アブダビでの川尻戦を契機に「UFC Fight Pass」に加入し、インターネットを通じた新しい視聴形態を体験した日本の格闘技ファンも少なくないことだろう。UFC Fight Passが、「Fight Night」大会など本来は無料でテレビ放送するコンテンツや、テレビ放送のないコンテンツだけをインターネットに載せたのに対し、米WWEが運営する同様のインターネットサービス「WWE Network」は、ドル箱PPV「レッスルマニア」を含めたすべてのコンテンツを月額9ドル99でネット公開するという、まさに会社の事業構造を根こそぎ切り替えてしまうほどの一大事業として展開中だ。

WWEではこのほど、224日にスタートしたWWE Networkの現時点での加入者数が667,287名であることを公式発表した。プレスリリースは、「この調子なら、年末までに加入100万件獲得の可能性が濃厚だ」と強気な見通しがうたわれている。

株式市場はこのニュースを悪い材料として捉えた模様で、公式発表の翌日、WWEの株式は大きく売られ、株価は前日比6ドル7セント安の21ドル97まで下げた。

ただ、New York Timesは「WWEの有料ストリーミングサービスが、コアなファンから強い支持を受けていることが明らかになった」と好材料として報じた。Time誌も「WWE Networkはすでに多数の加入者を獲得」、Variety誌も「黒字化も間近」と報じるなど、大手一般誌はおおむね前向きな評価を報じている。ウォール街のアナリストたちも「最初の6週間でこれだけの結果が出るのであれば、海外でのサービスが順次開始されるにつれ、35年後には400~500万件の加入が見込まれるのではないか」「加入者数30万~40万件程度だと危険水域、最大で70万件程度かと予想していたので、株価が下げたことには驚いた」「投資家は加入者100万件を期待していたのだろうが、もともとの高すぎる期待値が、今回の発表で健全な水準に修正できたのではないか」などとコメントしている。


しかしプロレス業界の評価はもっと悲観的だ。