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8月23日UFCマカオ大会で必殺スリーパー秒殺デビューを飾った佐々木憂流迦インタビュー。24歳という若さ、通算戦績18勝1敗、一本率が5割を超え、リングネームの「憂流迦」はサンスクリット語で天狗を意味する。新世代ファイターの感性とは?
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――佐々木選手って最初からキャラが完成されてるイメージがありますね。
憂流迦 嘘だあ(笑)。
――ハハハハハハ! それでいて強いじゃないですか。
憂流迦 そう! 強いんですよねー!!
――あ、そこはあっさりと認めるんですね(笑)。昔からそんなキャラなんですか?
憂流迦 初めの頃はもっとチャラチャラしてましたけどね。
――いまは落ち着いてる感じですかね。
憂流迦 そうっすね。
――格闘技を始めようと思ったのはいつくらいなんですか?
憂流迦 えっと、小学生の頃で。叔父がプロレスが大好きでよく一緒にプロレスの番組を見てて、兄貴が「プロレスラーになる」と言ってたらから「じゃあ俺もなる!」って。
――どのプロレスラーが好きだったんですか?
憂流迦 武藤敬司。
――どの時代の武藤さんですか?
憂流迦 印象に残ってるのはもうスキンヘッドのときですね。卒業文集に「将来IWGPのチャンピオンになる」って書いたんですよ。それで中学の頃からK−1やPRIDEを見るようになって「総合格闘技をやろう」と思って。
――その頃からチャラチャラしてたんですか?
憂流迦 そのときはチャラチャラしてなかった(笑)。フツーの中学生でしたけど、格闘家以外にはなりたくなかったんですよ。高校でボクシングかレスリングをやろうと思って、地元でレスリングのある高校に入学して。ウチのレスリング部は名門と言われてて強かったんですよね。レスリングでは全国的に有名な高校。
――レスリングにはかなり熱中されたんですか?
憂流迦 あくまで総合の手段でしたけど、純粋に楽しみましたね。卒業式のときもレスリングをやってましたから。ほかの3年生は部活引退したら、みんな超遊んでいるのに。
――高校時代はぜんぜん遊んでない。
憂流迦 遊んでない、遊んでない。練習、超やったし。でも、卒業して大学でレスリングを4年間やるよりもすぐ総合をやろうと思って。東京に出て五味(隆典)さんのラスカルジムに入ろう思ったんですよ。でも、ウチの代表の芹澤(健市)さんが高校の先輩で、親にも会って「任せてくれないか」ということで入会したんですけど。
――東京ではなく地元で格闘技をやることになったんですね。
憂流迦 でも、最初は練習方法に戸惑いましたねぇ。高校の部活ってメニューがあって、みんなできっちり練習すやるじゃないですか。でも、ジムだと自分ひとりで考えて作り上げていくところがあるんですよね。だから入ったばっかのときは何をやったらいいかわからなくて。そこで考えてやる奴が強くなるし、強くなる奴はどんどん強くなるし。こっちに残って結果が出たんで正解だったと思うけど。
――総合はやってみてどうでした?
憂流迦 打撃はヘタクソでしたね。寝技もそんなにうまい気がしないですけど。
――佐々木選手がうまくなかったら誰がうまいというのか……(笑)。
憂流迦 まあまあ、寝技の練習を費やした時間は多かったと思いますね。芹澤さんも言ってましたけど、総合を始めたときはとくに光るものはなかったすね。あと俺、練習でメッチャ弱いんですし。
――それはいまでも?
憂流迦 超弱い。ちょっと前にも東京のジムでボコボコにやられて「これは心、折れるわ……」って(笑)。でも、試合じゃ負けないですけど。
――練習することで眠ってた才能が開花されたんですかね。
憂流迦 才能もねーと思いますよ。
――才能のない選手の戦績ではないと思いますけど(笑)。
憂流迦 そうですね。アッハッハッハッハッ! 才能はないけど、選ばれてるとは思いますけど。
――選ばれし者。そんな言葉を聞くのは前田日明や中邑真輔くらいですよ(笑)。
憂流迦 自分の見せ方はアマチュアの頃から考えてはいるんですよ。試合後の立ち振る舞い、いかにして注目を浴びるか、ほかの選手と同じラインに並べられないようにするか。
――セルフプロデュースですね。
憂流迦 判定になったときは相手より先に立つとか、余裕な動作を見せるとか。けっこう俺の体力もギリギリなんですけど、それでもやっておくんですよ。そうすると、試合を見てる選手や関係者も「コイツはヤバイなー」とか思うでしょ。
――その発想はどこからきてるんですかね。
憂流迦 どこだろ。感覚かな。あと五味さんが大好きで試合をずっと見ていたから。五味さん、試合が終わったあとマウスピースを投げて走り回っていたりするでしょ。ほかの選手はやらないじゃないですか。
――五味さんの場合、そこは本能的にやってるところはありますよね。
憂流迦 五味さん、本能ですね(笑)。でも、それって見てる人は何か引っかかると思うので。
――リングネームの「憂流迦」もそういう狙いがあるんですか?
憂流迦 そうですね。
――古代インド文化とかに精通してるわけではないんですよね?
憂流迦 まったく知らないねー(笑)。
――ハハハハハハ!
憂流迦 サンスクリット語は「憂流迦」しか知らない(笑)。昔は「佐々木天狗」というリングネームだったんですけど、これは絶対に売れないプロレスラーの名前だなって。
――たしかに(笑)。
憂流迦 やめよう、やめよう。それでネットで天狗を調べたら「憂流迦」が出てきてこれだ! 苗字と組み合わせたら本名っぽいし。
――それで佐々木天狗から変えて。
憂流迦 佐々木天狗はヤバイですねー。あの名前だったら、ここまで来れてない(笑)。
――入場も派手さを意識してます?
憂流迦 してるけど、完成度は低いですよ。ぶっちゃけダンスができるわけじゃないから。何もしてないんですよね(笑)。
――入場といえば須藤元気さんや郷野聡寛さんですけど、ダンス主体ですもんね。
憂流迦 俺、そこまでスキルがないから。殺陣とかやろうと思ったりしてますけどね。まあ自分の表現をしたいわけですよ。何かを表現して認められたときだけですよね、生きてる感じがするのは。
――そこは一本狙いのファイトスタイルにもつながってるんですか。
憂流迦 フィニッシュするってことにしても、普通じゃない動きがしたいんですよね。自分が頭の中で考えてる動きを表現したいですよ。そのためには、語弊があるかもしれないですけど、宗教とか偏ったものを見てみたい。普段、祈ったりとかしないじゃないですか。そういう人の心情や考え方はどんなものなんだろう?って。それは最近、とくに思ってることなんですけど。
――その原動力はなんなんですかね。
憂流迦 目立ちたいという意識もあるんですけど。いままでの人生で何もなかったからこそ、認められたいじゃないですかね。
――個性がなかった?
憂流迦 そうかな。うん。個性がなかった。
――たとえば日本人ファイターの中で個性を感じるのは誰ですか?
憂流迦 五味さん。というか、あの時代の人たちってみんな個性ありますけどね。でも、五味さんは、あの人は本能でやってるから惹きつけられるところはあると思うんで。俺は本能では、ああはなりきれないので。
――計算じゃない個性ですね。
憂流迦 でも、こないだのUFCの試合は嬉しかったですけどね。本能で喜んじゃって。UFCで勝つこと、あんなに嬉しいんだって自分でビックリしましたもん。いつも感情の起伏ってないんですよ。
――最近泣いたり怒ったりしたことはないんですか?
憂流迦 ない、ない。そうなりたい。怒りたいし、泣きたい(笑)。「うわっ!」ってなる感情を味わいたいす。
――俺を怒らせてみろ!と(笑)。
憂流迦 UFCという舞台を自分の中で大きくしてたところがあったし。だから嬉しかったんだと思うんですけど、入場のときにぜんぜん緊張しなかったんですよ。「なんだよ。いつもと変わらねえなー」と。
――いつも緊張しないんですか?
憂流迦 しないですね。緊張という言葉も使わない。試合前って自分の中に精神論があって、まずゾー
ンに入るんですよ。そうれすれば緊張なんかしなくて。(この続きはお買い得な「好評記事の詰め合わせセット」でも購入できます)
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