今年のシルバーウィークは最大9連休という10年に1度のビッグウェーブ。この波に乗って海外旅行や帰省と穏やかな初秋を有意義に過ごした方も多いのではないでしょうか。私はというと相も変わらず格闘技観戦三昧。北は埼玉、東は舞浜、西は練馬と各地の会場に足を運んで総移動距離はなんと200㎞。普通に考えたら名古屋くらいまでは行ける距離というのが何とも悲しい。おまけに総観戦時間は楽に20時間を越えたでしょうか。大型連休中に大の大人が一体何をしてるんだと。思い返すとちょっと切なくなります。
これだけ観戦していると予期せぬ出来事が起こるもの。全25試合と大容量だった「GRACHAN19×BOM IX.5」はなんと8時間を越える超ロングラン興行(笑)。13時半に始まって終わったのが21時半過ぎ。。。私がこれまで観戦してきた大会の中でも恐らく最長記録ではないかなと。会場内の売店のおじさんに「ちんかちんかのひゃっこいルービーあるよ」と昼と夜の2回言われた時にはもうデジャブかと思いましたもん。帰りの電車で「パリーグの延長戦は4時間を越えたら新しいイニングに入らない」という懐かしのキーワードが呪文のように脳内ループしたのは言うまでもないでしょう。そうかと思えば「TTF CHALLENGE 05」は出場予定だったおくつ”神風”かずし(マッハ道場)が計量会場に現れずに試合が消滅する前代未聞のハプニングが発生。こちらの大会は6試合に凝縮されるから世の中はなかなか上手くいかないものです。改めて興行の難しさを痛感させられました。
そんな軽いズンドコ劇を経て、シルバーウィークの最後に辿りついたのは、その道の終着地、日本人にとって1年に1度のお祭り「UFC Fight Night Japan 2015」。昨年は仕事のために会場で観戦出来ず終い。あてにしていた「UFC FIGHT PASS」も前日になってまさかの視聴不可宣言。怒りのあまりに激高Tweetを乱射してしまった反省を踏まえて、今年は思い切って埼玉に前泊することを決意しました。公開計量とご当地グルメを堪能してから本戦に乗り込む万全の態勢を取ったわけです。
そこで今回のMMAオレンジ色の手帖は大いに盛り上がった「UFC Fight Night Japan 2015」を大特集。公開軽量から大会当日の会場の様子、そして駅チカで見つけた激ウマグルメ、さらにはシルバーウィークの興行ラッシュで発見した未来のUFCファイターまでつれづれなるままにお届けしたいと思います。題して「格闘技ぶらり途中下車~UFC JAPAN編~」。今宵も電波と充電の続く限りよろしくお願いします。
まずは大会前日の公開計量。PRIDE時代のノリだとさいたまスーパーアリーナ前のけやき広場に向かってしまいそうですが、UFCの場合はアリーナの内部。係員に促されるままに会場に入ると、まずは「ルールと格闘技用語集」を手渡されます。これが侮る事なかれ。なかなかの優れモノ。UFCのルールや階級が明記され、さらにはリアネイキドチョークやキムラ等の技の解説から、柔道・柔術などバックボーンになる格闘技の説明までされているので読み応え十分。初心者はもちろん、マニアも思わず唸る内容になっていました。間違いなく永久保存版です。
そしてパッと横目でみると入口付近にはなんとUFCフライ級王者のデメトリアス・ジョンソンとカブ・スアソンがいるじゃありませんか!?何やらファンクラブのイベントで写真撮影を行っている模様。ファンと握手するDJ、ひげを触るDJ、笑顔を振りまくDJ…。突然のチャンピンのお出迎えにボルテージは極みに達します。
チャンピオンの一挙手一投足に後ろ髪を引かれながらも通路を進んで特設会場に到着。既に100人以上の熱心なファンが客席を埋めて熱気ムンムン。設置されたスクリーンにはROAD TO UFC JAPANの試合映像やUFCファイトパスでの配信が決定したパンクラスのCMが流れてムードが高まります。
そんな雰囲気の中でスタートした公開計量。規定体重をクリアして筋肉をアピールすると対戦相手と睨み合うのがド定番ですが、ちょっと面白かったのが体重計に乗る前に服を脱ぐ仕草。男らしく豪快に脱ぐのかと思いきや、ご丁寧に靴下をかわいらしく脱ぐお茶目なファイターの多い事(笑)。戦場が一瞬にしてお茶の間になったような感覚を覚え、不謹慎にもほくそ笑んでしまいました。
そして印象的だったのは観客の反応。メインで対戦するジョシュ・バーネットとロイ・ネルソン、日本人のエース格・堀口恭司はもちろんですが、ROAD TO UFC JAPANを勝ち上がってきた廣田瑞人と石原夜叉坊には一際大きな声援が寄せられていました。特に夜叉坊には「夜叉たーん」という黄色い声援が!!これぞ地上波効果か。深夜放送とはいえ3ヶ月煮込んでじっくり熟成培養してきただけの事はあります。テレビのチカラ恐るべし。。。