UFCフライ級で活躍する堀口恭司がUFC王座獲得を目指して練習拠点をアメリカへ――。デメトリアス・ジョンソンとのチャンピオンシップは敗れはしたが、現在25歳。ファイターとしてこれからピークを迎える堀口恭司にとって名門チームへの移籍は大きな飛躍のきっかけになる。その背景を語っていただくのは、堀口恭司をはじめ山本KID徳郁など多くのファイターをマネジメントする石井文彦氏だ。







――日本人UFCファイターの堀口恭司選手が1月11日から練習拠点をアメリカに移すそうですね。

石井 はい。期間は無期限というか「チャンピオンになるまで日本に帰らせない」と言っています(笑)。受け入れ先はアメリカン・トップチーム(ATT)になるんですけど。

――ATTを選んだ理由は?

石井 以前、堀口選手はATTのほかにアメリカンキックボクシングアカデミー(AKA)にも練習へ行ったんですけども。AKAは重い階級の選手が主に所属してるチームなんですよ。ご存知ケイン・ヴェラスケス、ダニエル・コーミエ、先日UFCミドル級王座を防衛したばかりのルーク・ロックホールド。そこには素晴らしい選手たちと充分な練習環境があるんですけど、軽い階級の選手が数名しかいない。それだと日本のほうが軽量級のいい選手はたくさんいますから、わざわざアメリカに渡る意味がなくなってしまう。

――そこでATTを選んだんですね。

石井 あとコーチの存在です。AKAにも専任のコーチがいるんですけど、ATTには15人のコーチがいるんです。

――15人も!!

石井 ATTのジムは一般会員もいるんですけど、一般会員のコーチとはまた別に、プロ専門のコーチだけで15人。

――一般とプロを完全に分けてるんですね。

石井 フィジカル、レスリング、ボクシング、柔術と全分野のコーチが揃っています。すべての練習が一箇所のジムでできるので、日本のようにあちこち出稽古する必要はない。それもそのはずで、ATTにはUFCファイターが40人、ベラトールの王者が2人も所属していますからね。

――選ばれし者の中で切磋琢磨するわけですね。なんだかゾクゾクするなあ(笑)。

石井 ATTを選んだ理由がもうひとつあって。AKAにはサンノゼにあって、そこはAppleやグーグルの本社があることもあり、物価も家賃も高いんです。ATTのあるフロリダは物価は安いし、気候もいい。釣りの本場でもあるから、趣味が釣りの堀口選手からすると最高の環境であると(笑)。