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「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 大阪のオタク少年、『エイリアン』に出会う」
ここにちゃんとウェイラン・ユタニと書いてあります。
ウェイランド・ユタニっていうのは『エイリアン』に出てくる金儲けばっかりやっている悪の企業です。
これ、ユタニっていう日本名の会社になったのは後のことで、最初はこれ、TOYOTAだったんですよね(笑)。
ウェイランド・トヨタっていう名前でやろうとして、トヨタにOKもらおうとしたら、トヨタが「絶対にダメ」って言ったわけです。
当時、映画は土曜日に公開していましたねぇ。
僕は梅田のOS劇場で、ちゃんとその公開日に見ました。
僕が初めて開催したイベント「第4回日本SFショウ」の年ですね。
第4回SFショウというのは、キャパ600人くらいの会場に100人以下の申し込みしかなかったという辛いイベントでした。
だからもう赤字になるのは分かってて、恥かくのも分かってて、不安で頭の中はいっぱいだったんです。
6月30日『再会母よ…』、7月7日に『時間よ、止まれ』、7月14日に『ククルス・ドアンの島』っていう、ちょっとテンションが落ちるのが3本続いたあと、7月21日に『セイラ出撃』!
「え?あのセイラさんが?モビルスーツで出撃するの?」っていう回があった正にその日の夜に『エイリアン』が公開されたのです。
実はこの翌週は、『アムロ脱走』です。
「セイラさんがモビルスーツに乗れるんだったら、もう僕なんていいでしょっ」て、アムロが脱走します。
で、SFショウの当日は『ランバ・ラル特攻!』という、ランバ・ラルが死んでしまう回です。
それどころか、映画館に来ている人全員、SFファンなのです。
今の『マーヴェル』とか『スターウォーズ』の映画は、そこそこリア充さん達も来るんだけど、当時のSF映画のオールナイトっていうのは、もう「その筋の人」しか来ないんですよね。
まあ、“その筋”っていうのも変ですけど。
『エイリアン』の写真だって1枚もないし、聞いたこともない名前の人が監督をやっている。
そんなわけで、僕たちは「三流映画じゃないかな」とか、「また騙されたかな」と思いながら、不安で見にいってるんですよ。
さっきの宇宙船が離脱するところとか、方向転換するところとかのシーンで、ノズルから火を噴いて止めるんですよ。
「よく止めた!」って、もう嬉しくて。
次号につづく。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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