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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/11/04
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『頭の回転が速い人の話し方』から、ハイライトをお届けします。

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採用されるアイデアの特徴とは?」

 頭をトップギアにすると、どうしても「勝ちたい」という衝動が出てきて、発想の転換が本当に難しいんですが、レコーディング・ダイエットで「やせることを考えない」のと同じように、「ユニバーサル・トーク×戦闘思考力」では「勝つことを考えない」

 というのはつまり、何かの疑問に「答えようとしない」「正解を出そうとしない」ことです。
 言い方を変えると、「何かの疑問に対して、さらに面白い問いを重ねる」ことです。
 「いかに面白い問いを、いかにたくさん生み出すことができるか?」という姿勢で話し合いにのぞんでください。

 面白い問いをいっぱい返すことによって、相手もいっぱい話してくれるんです。
 つまり、やりとりが増えるわけですね。
 するとアイデアなんてその話の中から勝手に生まれます。
 勝手に生まれたアイデアは、自分が思いついたものでもなく、相手が思いついたものでもなくて、その場の関係がつくったものです。

 そういうアイデアは絶対に採用されます。
 もしこっちが、「Aにすればいいんじゃないか?」と面白いアイデアを言ったとしても、相手は絶対、「他人から説得された」ような感じを受けてしまいます。
 すると、絶対にそのとおりに動いてはくれません。
 せっかく自分が良いことを言ったのに、相手は動いてくれないわけですね。

 反対に、その場の関係で、どんどんトップギアで発想能力を使って軽口みたいにいろいろなアイデアをお互いに出していくようにするんです。
 すると、どのアイデアをどっちが思いついたのかなんて、よくわからなくなってしまいます。
 これが、「勝たない」「負けさせない」ということです。
 そういうときって、だいたいの人は一番面白いと思ったアイデアを自分が思いついたと思うんです。
 相手が勝ったと思うこともあるのです。

 ただし、感謝はされません。
「あいつのおかげで良いことを思いついたよ」じゃなくて、「困ったときはあいつに聞いてみよう、そしたらオレが何か良いことを思いつくかもしれない」と思うようになります。

 こういう関係までつくれれば、まあ、なかなかの有段者ですね。
 ただしそのときには、頭の良い人とは思われずに、面白いおじさんと思われちゃいます。
 しかし、それで十分なんです。


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