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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「ネット動画時代のアニメのあり方って?」(前編)
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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「ネット動画時代のアニメのあり方って?」(前編)

2015-11-15 06:00
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    岡田斗司夫のニコ生では言えない話
     岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/11/15
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
    かたっぱしから答えてみましょう。

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    「ネット動画時代のアニメのあり方って?」(前編)
    のひさん/30歳/会社員

     現在日本では、Netflix、hulu、ニコ動など様々な動画サービスが開始され(ようとし)ています。
     そんな中それぞれ独自コンテンツなどを作り出して差別化を図る動きもあります。

     そこで質問です。

     このような流れの中でアニメはどのように変わっていくと岡田さんは考えますか?
     IT技術の進歩、動画サービス参入による影響などを絡めながら回答お願いします。


    ───────────────────────────────────

     まず日本のアニメの特殊性や強みを考えて、Netflixとは何かを考えて、僕らの生活を変えてしまう部分を押さえた上で考える。
     そうすると僕の考えでは「アニメは滅びる」だろうになる。


    ■中国や韓国と違って、日本アニメは中間層が分厚い

     日本のアニメの強みは、「すごく特殊に進化した」こと。
     つまり日本中の子供達が好きになるアニメや、世界中の人が見れるアニメではなく、かなり変なアニメを作るところから始まってる。
     これは日本の文化自体が持ってる中間層がすごく分厚いという特徴なんだ。

     大ヒット漫画とクズ漫画の間に、膨大な漫画がある。
     面白いんだけど、それほどでもない漫画があればあるほど、漫画は面白いわけ。
     だから、大ヒット漫画とクズ漫画の2極化は文化を潰しちゃう。

     韓国や中国のアニメ制作や漫画製作が、なぜ上手くいかないのか。
     それはアニメの中間層を分厚くするとことが、どうしても出来ないから。
     だから、国家が保護して応援するような超メジャー漫画を作る、もしくは日本の下請けとか日本の真似でダメな漫画を作る。
     これのどれかになってしまう。

     実はこの中間層の「面白いかどうか分からないような漫画を山ほど作ること」が大事なんだ。
     僕はピラミッドの底辺がデカければデカいほど、ピラミッドの山は高くなるという例で話してる。
     中間層と底辺とがデカくないと、ピラミッドの高さが稼げない。
     でもNetflixはそれに向いてない。


    ■グローバリズムは文化を奪ってしまう

     Netflixはグローバリズムであって、全世界で見れるもの。
     どうやっても文化を持っていってしまう。
     例えば、Amazonは出版社をだんだん淘汰していった。
     Amazonですごく売れるものが狙えることと同時に、ほんのちょっとしか売れないような小規模出版も助けている。
     その結果、出版社や書店の倒産が起こってる。

     でも日本人が読んでる本が減ってるわけじゃない。
     むしろ僕らの読書体験自体は増えてると言われてる。
     ネットでブログを読んだりすることが増えた。
     ただ僕らは無料で、そこそこ質の高いブログ記事を読んだり、ニュースを読んだりすることが増えた結果、超売れる『火花』とか村上春樹の本は買う。

     それと同時に10部や20部とかしか出てないような同人誌のようなものも電子出版で買うことが出来る。
     その代わりにあった中間の膨大なものがなくなってきている。
     「売れるかもしれない、面白いかもしれない。でもそんなに熱心に買うほどでもない」という週刊誌や新聞という中間教養のようなものがガッサリ落ちる。
     これがネットの悲しい性なんだ。


    (次号へ続く)


    【まとめ】
     日本は「中間層のアニメ」が多いことが特徴ですが、Netflixのようなグローバリズムはそれに向いていません。
     例えば、Amazonによって読書体験は増えましたが、中間教養のような週刊誌や新聞は読まなくなっています。
     これがアニメにも当てはまっていくと思います。
     
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