ついに9月20日(土)から「モーニング娘。'14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~」がスタートする。2ヶ月にわたって行われるこのツアーの最終公演、11月26日(水)の横浜アリーナにて、「モーニング娘。史上最高のリーダー」と称される道重さゆみが卒業する重要なツアー。ファンや後輩から慕われる彼女は、リーダーとして一体どこが優れているのだろうか?
2003年1月19日にモーニング娘。に加入した道重さゆみ。当時は歌もダンスもまるっきりの劣等生だった彼女を観て、現在のような偉大なリーダーになると想像していた者は誰一人としていなかっただろう。だが彼女は自らの決意と不断の努力によってその場所へ立った。そしてそれは、特別な才能を持った者が成し遂げたことではなく、我々と同じ一人の人間が成し遂げたことなのだ。
だからこそ、その生き方やテクニックは我々凡人にとっても非常に参考になる。特に彼女の「リーダー」としての行動はどんな仕事においても役立つエッセンスに溢れている。そこで今日は、会社や職場で「リーダー」となったときに必ず役立つ、道重さゆみの3つのリーダー術を紹介したい。あなたの仕事の参考にしていただければ幸いである。
<1>自分自身に暗示をかける
リーダーにとって最も重要なことは、部下に「デキる人」とちゃんと思わせることである。それが出来なくては部下の心を掴むことなど不可能だ。しかしリーダーだからと言って万能ではない。かと言って部下に悩みを相談するのは禁じ手である。そこでまずやるべきことは「自分はデキる」と自分自身に対して言い聞かせ、暗示をかけることだ。自分が自分に対して「デキる人」と思えないならば、部下に対してそう思わせることなど出来るはずがない。
道重さゆみは常に自らに暗示をかけている。アイドルにとって「デキる」=「可愛い」。そう、道重さゆみは常に「私は可愛い」と言い続けているのだ。バラエティ番組などで彼女が自称可愛いキャラとして取り上げられることは多いが、それは単なるキャラ作りではなく、どんな場所においても道重さゆみは「私は可愛い」と言い続けている。そしてその暗示は実際に効果をもたらす。「私は可愛い」と言い続けることによって、実際に道重さゆみはどんどん可愛くなり、自分自身を変えてしまったのだった。
立場が人を規定する、というのはよく言われることだが、言葉もまた人を規定する。「デキる人」になりたいのであれば、「自分はデキる」と常に自分自身に言葉で暗示をかけることが肝心である。道重さゆみという実績があるのだから間違いない。その暗示によって、人は自らの限界を超えた仕事を達成することが可能になるのだ。
<2>褒めるときは第三者の前で
部下を褒めるというのもリーダーの大切な仕事の一つである。だがこれがなかなかに難しい。タイミングや言い方、伝える手段などによっては逆効果になってしまうことさえある。そんなとき、道重さゆみはリーダーとして後輩をどう褒めるか。それは2013年11月の日本武道館公演で行われた。彼女は後輩たちを、満員のファンの目の前で褒めたのだった。
道重さゆみがマイクを握り、MCを始める。このツアーは彼女にとって初めてとなる先輩も同期もいない、つまり自分と後輩しかいないツアーだった。ツアーが始まる前の不安な気持ちを正直に語ってから、彼女は続ける。「正直、大丈夫かなと不安でした。でも、大丈夫でした。なぜだと思いますか?」少し待って、彼女は言う。「それは、後輩が頼もしくなっていたからです」と。信頼するリーダーからそう言われた後輩たちは、みな涙を流していた。もちろん、その場に集まったファンたちも。
そもそも直接部下を褒めるというのは難しい。褒める側も褒められる側も、どこか照れがある。だが第三者をそばに置き、たとえば部下が同席する取引先との会食の際にその相手に対して、部下の良いところを褒めるというのはテクニックとして非常に有益である。褒められた部下としても、普段からそう思ってくれていたんだという気持ちで素直に言葉が届く。そしてきっと、その言葉が胸に届いた部下は、さらなる信頼に応えられるようにより成長した姿を見せてくれるはずだ。
<3>最後は部下に手柄を譲る
リーダーである以上、いつかは部下にその道を譲るときが来る。いつまでも自分の手柄だけを求めていてはリーダーとしては二流、三流である。道重さゆみの場合、今年の4月に生まれ故郷の山口県で行われたコンサートで、卒業を発表した。問題なのはその卒業の時期である。彼女はこの年の秋に卒業することを表明したのだった。
2013年は、モーニング娘。の再興期として位置づけられる。かつて熱狂したファンが戻ってきて、新たなファンも増えてきている。シングルオリコン1位の記録も伸ばし、メンバーもファンも「今年は大晦日の紅白歌合戦へ」という目標を打ち出していた。が、残念ながらその目標はかなわなかった。だが彼女たちの勢いは止まらない。むしろ紅白落選という事実を発奮するための武器として使い、2014年こそは紅白出演を、と誰もが思っているなかで、その紅白を待たずに道重さゆみは卒業することを決めた。
つまり2014年の紅白歌合戦にモーニング娘。'14が出演するとしても、そこに道重さゆみはいない。これは彼女の、年に一度の国民的な大舞台で、自分のいない新たなモーニング娘。をみんなに知ってほしいというメッセージに他ならない。ここまで偉大なことが果たして出来るかは難しいところだが、しかし少なくとも道重さゆみはそれをやるのだ。自分の気持ちや想いを次にして、愛するモーニング娘。のためにベストな手段を彼女は選ぶ。だからこそ、彼女は「史上最高のリーダー」と称される。そして新たなモーニング娘。は道重さゆみの意志を胸に抱いてこれからもステージに立つ。道重さゆみがいたからこそ、新たなモーニング娘。はいつの日か「史上最高のモーニング娘。」という姿を我々に見せてくれるだろう。
<結論>
「モーニング娘。'14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~」は11月26日(水)の横浜アリーナまで続く長丁場のツアーだ。9月30日(火)と10月1日(水)には日本武道館の平日2連戦。NHK大阪ホールでも何度も公演が予定されている。もしも都合が合うならば、是非どこかで道重さゆみがリーダーを務める今のモーニング娘。'14を目に焼き付けてほしい。一人の少女が自らの決意によって成し遂げた「史上最高のリーダー」という奇跡のような姿を観ることが出来るのは、このツアーが最後である。
(相沢直)
■参照リンク
モーニング娘。'14コンサートツアー秋 GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~
http://www.helloproject.com/morningmusume/event/detail/c46224e7cb604f929bef2852d760cc42bae29290/
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