ゲキビズ田原通信
11月16日、野田佳彦首相が衆議解散を断行した。
この解散を「TPP解散」だという声もある。
TPPとは、環太平洋戦略的経済連携協定のこと。
アメリカをはじめとする、アジア太平洋地域の国ぐにが、高い水準の自由化を
目標にした多国間の経済連携協定のことである。
野田首相は、今回の解散を小泉純一郎元首相が断行した「郵政解散」に
なぞらえたとも言われている。
野田首相の本心はどこにあるのか。
衆議院の解散をのばすと民主党の党内から野田降ろしが噴出する、まずそれを
恐れたのだろう。
さらに、TPP参加を打ち出して選挙に臨めば、TPP問題で党内意見が
まとまらずにモタモタする自民党を圧倒できる、という目算もある。
だから、野田首相はTPP交渉参加を、民主党の公約にしようとしている。
僕は、TPPには当然、参加すべきだと思っている。
あくまでも協定の内容を決める「交渉への参加」にすぎないのだ。
だから賛成してもいいのではないか。
だが、アレルギー反応のようにTPP交渉参加に反対する議員は多い。
TPPは医療、サービス業も含めたさまざまな産業分野に関連するが、
その中でもとりわけ農業についての反対が強い。
加盟国間で関税障壁がなくなるため、海外から安い農産物が輸入され、
日本の農業が立ち行かなくなるというのが反対派の意見なのだ。
僕は、この考えはまったく逆だと考えている。日本の農業は決して弱くない。
農水省が、日本の農業を守らねばならないと主張する根拠は、日本の食料自給率が
低いということだ。
平成23年度の食料自給率は39%しかないと。
だが、この数字はゴマカシなのだ。
食料自給率39%というのは、カロリーベースの数値である。
生産額ベースで計算すると、66%と、ぐんとアップする。
ただし、これは震災後の低い数字で、震災前の平成22年度は70%にもなる。
70%という数字は諸外国と比べても高く、世界第5位だ。
日本は農業大国なのだ。
さらに言えば、そもそも日本以外の国で、カロリーベースの食料自給率を
採用している国はない。
では、なぜ日本はカロリーベースの数字で統計をとっているのか。
カロリーベースだと、高カロリーの農産物が多いと自給率の数字があがる。
小麦や油脂などがそうだが、それはほとんど輸入している。
一方、日本国内でほとんど生産している野菜などは、カロリーが低いので、
自給率の数値が上昇しない。
また、肉牛や鶏卵は、ほとんど日本で生産されている。
ところが、輸入飼料で生産されたものは「自給」とみなさないため、
これらも自給した畜産物として計算されないのである。
このように、日本の食料自給率は、「自給」の実態を見る指標としては
大いに疑問がある。
それなのに、なぜ農水省はカロリーベースの“低い”自給率をことさら
喧伝するのか。
僕は農水省の「省益」のためだと考えている。
農業に対する危機感をあおり、日本の農業を保護すべきだと主張することで、
農水省は職員の数を減らさず、農業関係の予算を守りたいのだ。
もうひとつ、TPP交渉参加に猛烈に反対するのが、農協である。
農協は「日本の農業が守れない」と主張している。
これも、とんでもない主張だ。
やる気のある農家にとって、TPPはむしろチャンスだと僕は思っているのだ。
時間と手間をかけ、丁寧に栽培された日本の農産物は、世界に通用する。
質が高く、味もよく、安全な農産物は日本産ブランドとして世界中で人気だ。
もしTPPに参加すれば、日本の農業は輸出産業となり、もっと伸びていく
可能性を充分に持っているのだ。
では、なぜ農協はTPPに反対するのか。
農協は、日本の農業を弱いままにしておきたいのではないか。
農家が小規模で弱いままなら、農協の会員数は減らない。
農協の影響力も維持できるのだ。
一方、やる気のある農家が世界に進出して成長すれば、経営も安定する。
そうすると、農協に頼る必要がなくなるから、農協の会員数が減ってしまう。
農協にとっては、許しがたい事態だ。
TPPは、日本の農業の将来がかかっているといっても、過言ではないのだ。
本気で取り組むのなら、そうとうの覚悟とエネルギーが必要なテーマである。
野田首相はこのことをどれほどの覚悟をもって言っているのだろうか。
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コメント
コメントを書くTPPへの参加を推奨するものは無知か自分の利権しか考えてないものだけです。
TPPAはFTA(Free Trade Agreement)により所詮強者が勝つ仕組みになっておりまず間違いなく色々な分野でアメリカに大敗することとなるでしょう。
例えばアメリカ国営の保険会社が日本に進出してきたらどうするつもりですか?アメリカと言う国そのものと保険と言うジャンルでまともに戦えるおつもりですか?さきほど言ったFTAは国がすべての企業を公平に扱うと言う内容の協定です、故に日本は例え海外からの企業により国内の企業が潰れようとも一切のサポートが不可になるかもしれないのです。保険の件はアメリカ国と日本の一保険企業が公平にぶつかり合うと言う事になるわけですね。例え完全に乗っ取られることはなくても日本から多数の顧客がアメリカの保険会社に流れることとなるでしょう。
少し考えただけでも日本と言う国はアメリカを肥やすための餌になる可能性しかありません。事実加入した国がどうなったのか調べてみたら悲惨な末路しか見えてきませんでした。例:韓国の豚産業。
交渉参加ぐらいいいだろうと言う人が存在しますが交渉参加テーブルに着いたが最後、まず間違いなく圧力に負け次々と日本に不利な協定を結ばされることになるでしょう。これは過去の件からも明白です。そして日本はそれを必死こいて隠すわけですね。
日本が何を輸入させられた、もしくはさせられているなどを調べてみるといいでしょう。
例:発癌性のあるレモンなど。これは使われている防カビ剤が問題。(ちなみにアメリカ国内で販売されていた同じレモンには発がん性は無かったようです。つまり日本人だからいいや、と言われたわけです。)さらに日本はそれを隠す為に発癌性は無いと嘘報告をしたわけです。自分達の面子の為に国民を守るべき者達が国民を殺せる訳ですね。何を言いたいかと言うと、一度TPP参加が決まれば間違いなく賄賂などで本来輸入してはいけないものなども日本に入ってくるという現実です。日本人はTPPにより多数の命が奪われる結果となるでしょう。
TPPか・・・結局、アメリカが考えたルールでしょ? なら、アメリカが得になるルールでしょうね。
こんだけ円高で日本のものが売れない上に、アメリカが決めたルールで商売するとどうなりますかねw
欠陥ヘリを国内にいれさせない・・・そんなことすらできない日本政府に日本の国益に則った交渉が
できるとも思えません。
でも・・・アメリカに怒鳴られたら頭さげてTPPに参加するんでしょうね・・・自民党も民主党もねw
「生産額ベースで計算すると、66%と、ぐんとアップする」という風に書かれていますが…
作物の種類を問わずに何でもかんでも「農業」でひとくくりにするのも、どうかと思います
極端な話ですが、国内農家が全戸TPPでの国際競争力を重視し、魚沼コシヒカリなどの一部ブランド米生産地域を除いて、米の生産から手を引いたとしたら、どうなるのでしょうか
(実際に、ブランド米生産地域を除き大多数の米作農家は「米価の下落」に悩んでいる訳で、あり得ない話ではありません)
米農家全体が効率・収益を重視し、米作から国際的に評価の高いリンゴやミカン他の果樹、また例に挙げられている野菜などの作付けにシフトした場合、「生産額ベース」の自給率は更に上昇し、各農家の収益も上がるとは思いますが、実際の「米の生産量」は減る訳です
農業全体がこうした流れにシフトしていくとすれば、最悪の場合よほど裕福な家庭を除き「手ごろな価格の米が不足して、ろくに米も食べられない」という事も考えられます
リンゴ他の果樹や野菜などでは、いくら収穫量が増えようが主食である「米の代わり」にはなり得ません
こうした「効率・収益重視」の未来にあるものは、「貧乏人は米を食わずに野菜や果物を食え・もしくは輸入米を食え」という事なのでしょうか
(輸入米とて、世界の大多数の国が短粒種のジャポニカ米ではなく、長粒種のインディカ米を生産し、食文化としている訳で、輸入できる国も限られますが)
農協の役割には、こうした不具合を避けるための「各種目の生産量の調節」という側面もあります
「国内への食糧の供給」という点からは、ある程度の種目ごとの生産量の調節・統制などは、されるのは仕方ない面もあるかと思います
工業やサービス業などのように、各農家が全くの縛り無しに「好き勝手に採算の取れそうな高収益の作物を作る」という訳にはいかないのです
そうした側面を知らず・挙げず・無視しての「農協は悪の組織」的な論など、正直滑稽としか言えません
どうも実際の現状を知らず、頭の中の・書籍の・誰かの理論理屈の中の「農業」のみで語っているような感を受けます
TPP云々はともかく、農水省が自分たちの権益のためにカロリーベース自給率使ってたのは前々からよく指摘されてたことだろ。
日本の食料自給率は案外低くもない、という認識は正しいと思ふ。
私は農協職員です。農業の行く末を左右できるような幹部でなく末端職員ですがね。
農協が日本農業の害悪といった意見は昔から言われており、内部から組織の上の方々の様子を見ていても
そういった意見が出るのも当然だとは思います。自分も農協で働き飯を食べてる人間として大っぴらには賛成できませんが、ある意味ではそういう認識も正しいと思います。
しかし記事にあるような日本農業が海外への武器になるからTPP賛成というのはかなり甘い認識です。
断言できますがこういった意見の人は実際に農業に従事したことがないでしょう。
現状で海外から評価が高い日本の農作物とは「コメ」だけです。それは稲という作物が交配による品種改良、土壌改良、肥料農薬の改良や使用回数の調整といった農法の変化に対して結果が分かりやすく、安定してるからです。
だからより良い品種や農法の発見が容易であり、安定して大量生産できるのです。
それに比べて他の農作物はどうでしょう?よくテレビ等で「こだわりの農法で作られた○○」といったものよくを見かけますが、それがスーパーで販売されているのを見たことがありますか?「コメ」以外の作物は記事にあるような海外で通用するブランド的価値を付けようにも現状では高コスト・少量生産がやっとの状態です。
いずれは「コメ」のように低コストでブランド農作物を大量に生産できて、海外への武器に出来る日が来るかもしれません。しかしそうなるにはまだ時間も知識も資本も足りません。今TPPに参加しても日本のブランド農業が海外の消費者に認知されるより先に海外の大規模農業に押しつぶされてしまいます。
その足りない部分を埋めるのは農協かもしれませんし、それ以外の企業・組織かもしれません。ですがどちらにしろまだまだ未来の話です。
とにかく現状では「コメ」以外は海外への武器にはなりえず、日本人がコメ以外も食べて生きている以上は数字にごまかしがあるとしても国内自給とTPPは切り離せない問題だと思われます。
当然医療その他のサービスについてもTPPへの参加には不安な点が多く、農協職員としてではなくいち日本人として今の段階でのTPP参加には反対です。
TPPを農業メインで見ている時点で過小評価している。最も恐ろしいのは、国家の主権侵害を平気でやってくるようなISD条項や、マイケル・ムーア監督の「シッコ」に描かれているような、医療ともよべない非人道的な医療や、悪徳商法のような保険会社がわんさか入ってくるだろうということだ。
合法的に農業を支配してくるだろうモンサントなども怖い。
これは国民の安心安全を守れなくなるということだ。
また、参加するかどうかの交渉なんだから、とりあえず交渉参加すればいいじゃないかというのも甘い。
もし、条件が合わなかったから、やっぱり止めますとなった時に、何のペナルティもなしに止めさせてもらえると本当に思っているのか?
もし、本当にそう思っているのだとしたら、考えがお花畑すぎる。
TPPに参加賛成と考えている人たちは相当危機感がないのか、もしくは調べもしない可哀想な人たちなのか?
なぜそれを行うのか?
なぜそれを持ち出されたのか?
そこの「なぜ」の裏側は上記コメントされている方々が詳しく説明をしてくれています。
その中で特筆すべき点は
・保険
・モンサント
この2点については恐怖しか残りません。
保険についても書かれてらっしゃる方がいらっしゃいますので割愛いたしますが、
「モンサント」
これはもう完全にアウトでしょう。
遺伝子組み換えによる・色・形・品質どれをとっても均一。
これだけならまだ食べ物としての側面なので
「良い物を安く買えるなら良い!」
といった昨今の日本の消費者の心情ならまず買ってしまうでしょうし、TPP参加賛成ともいう方が居てもおかしくないかとは思います。
ただここまで書いてピン!ときた方は感が鋭いでしょう。
そう遺伝子を組み替えられると言うことは、遺伝子レベルでの組み込みが可能ということなので
人体に悪影響を及ぼすものを構築出来ると言うことです。
そんな悪魔的なもの食べたいですか?
現米大統領のオバマ氏は親中を装いながら、実は反中のとんでも野郎です。
では何故装うのか?
米中の2国で世界を牛耳ろうという思惑があるのだそうです。
その反中精神を悟られず、うまく内部操作して反日にすり替えている。
言わば日本は防波堤なのです。
ではその内部操作を行っている人物とは?
日本では財務省のM氏、防衛庁のI氏、中国の筆頭エージェントは江沢民あたりでしょう。
そんな情報操作されまくりの混乱した世情でのTPP参加への会談。
先日もプノンペンで25分間の会談が行われましたが、何故アメリカが強く日本に強いることが出来ないか分かりますか?
これはTPPそのものがアジア諸国の発展途上国を日本の金を使うことになるからです。
日本国民がこれを知れば当然反対するでしょう?
日本が反米にならないようにしているだけです。
結論としてTPPへの参加は絶対阻止すべきだと考えます。
どうやらこのアホジャーナリストの主食はカネらしいということが分かった。
年齢的に食料が無かった戦中戦後を経験してるんじゃないのか?
パンがなければ菓子を食べればいいと思っているんだろう。
てかもう、TPPのようなデメリットの塊しかない話にもならないのに参加とか話題になることすら。
しかも国会討論で、賛成抜かしている馬鹿党はクソ条項について知らなかったのもばれているしな。
国益になる建設的な議論をしてくれよ。
確かどこぞやのはしもとはTPP賛成とか言ってたな。
弁護士はアホ政策で人数増やしてから仕事無くなって収入も落ちたし、揉め事増やして裁判増やそうと必死だな。
石原はTPP話にならんと言っていたが、結局どっちになるんだ?石原が代表だから石原の意向に沿うならまだいいんだが。
今のカロリーベースの自給率が下がった時に起こる事っていうのは、つまり
『今と同じ食生活が難しい』という事であって『食べるモノに困ってしまう』という事ではないという事か。
自給率というからには、下ると本当に危機を感じなくてはいけない指標であるべきだと思う。
カロリーベースではカロリーの少ない野菜などの自給率は計算されませんが、
ヨーロッパでは二次大戦時に兵糧攻めにあったので
食料を売った金で他から食料を買う発想ではないそうです。
日本も金さえあればうまい汁が吸えるという発想が通用する時代が
何時まで続くか分かりませんし、
有事が起こらないように手を打つ事も必要ですが、
数値のトリックでカロリーベースを叩くだけではなく、
将来的に何かあった時に食べ物が無くなる事に対しても議論が欲しいです。