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田原総一朗 ロシア・ウクライナ問題、どう立ちまわるかで安倍政権の「外交力」がわかる
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田原総一朗 ロシア・ウクライナ問題、どう立ちまわるかで安倍政権の「外交力」がわかる

2014-03-19 15:50
    ウクライナ南部クリミア自治共和国にロシアが軍事介入しようとしている。実効支配へと動いているのだ。このロシアの動きに対して、アメリカやEU諸国が抗議している。

    ロシアの主張は、「あくまでもロシア系市民を守るため」ということだが、そんなわけはないだろう。欧米諸国にすれば、「ポーランドと同じではないか」となる。1939年、第二次世界大戦の初期、当時のソビエト連邦は、ドイツ軍に続いて軍隊をポーランド領内に侵攻させた。その際の大義名分は、ポーランドにおけるウクライナ系とベラルーシ系の住民の保護だったのだ。

    このクリミアでのロシアの動きに対して、欧米先進国は激しく反発している。まず6月にロシアのソチで開催が予定されているG8サミットの準備中止を決定したのだ。さらにアメリカからは、「ロシアをG8から追放する」など、制裁すべしという意見も出ている。冷戦終結後以来、国際社会が直面する最大の危機といってもいいかもしれない。

    そもそもの発端は、2月下旬、ウクライナの首都キエフや西部で大規模な反政権デモが起きたことだ。そして親ロシア派の政権が崩壊し、ヤヌコビッチ大統領は国外脱出した。一方、政治犯として収監されていたティモシェンコ元首相が復活し、親EUの新政権が動き出すかと思われた。だが、ロシアが黙っていなかったというわけだ。

    クリミア自治共和国は、人口約200万人のうち6割がロシア系だという。親ロシアの土地柄なのだ。そして地図を見れば、国が位置するクリミア半島は、黒海に突き出すような形になっている。そして、ケルチ海峡を挟んで目と鼻の先にロシアがあるのだ。つまり、ロシア側から見ると、クリミア半島はヨーロッパ側への玄関ということになる。なるほど、ロシアが実効支配したいと思うわけだと、考えざるをえない。 
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