この政府案では、原子力発電は、「重要なベースロード電源」と位置づけられている。実は、当初の素案では、「基盤となる重要なベース電源」という表現だった。ところが、先日の政府案では、「基盤となる」が削られ、「ベースロード電源」なる言葉が使われている。
なぜ表現が変わったのか。実は、公明党の要請に応えたためだ。「ベースロード電源」とは、「時間帯に関係なく低コストで安定的に出力できる電源」を意味する専門用語だという。だが、この言葉を知っている国民がどれくらいいるだろうか。表現を和らげたつもりかもしれないが、ただのゴマかしだろう。だいたい、政治家や官僚はゴマかしたいときに、難しい言葉を使いたがるのだ。