<夏だ!! 競馬だ!!>

 今週は夏競馬最終週。「夏だ!!競馬だ!!」のラストは馬産地九州の今に注目する。夏競馬の風物詩で、8月29日に行われた小倉の九州産馬限定競走「ひまわり賞」はキリシマオジョウ(牝、橋口弘)が制し、今年の九州産2歳チャンピオンに輝いた。温暖な南九州にあるJRAと民間の育成牧場など現地を巡り、競走馬生産の現状をオーナーや牧場関係者に聞いた。

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柏木牧場の1周600メートルのダートコースで行われる調教風景

 環境は厳しくなる一方だが、夢は捨てていない。5年前まで70頭前後で推移していた九州産馬の生産頭数は50頭まで減った。

 九州軽種馬協会・柏木務会長(70=鹿屋市)は「カシノ」の冠名で有名だ。「九州産限定競走を大事にしてほしいですね。生産者も励みにしています」と話す。馬産地で生まれ育ち、中学生時代には汽車で大井競馬場に馬を売りに行ったことがある。80年に馬主名義を取得。近年は毎年20~25頭を育成しており、南九州の中心的存在だ。自家生産馬やセールで購入した馬はすべて自宅敷地内のトレーニングセンター(1周600メートルのダートトラック)で鍛え、東西トレセンへ送り込む。「夢は…、クラシックに出るような馬を育成したい。九州産でやってみたい。なかなか難しいですが」。【取材=木南友輔】