<神戸新聞杯>◇27日=阪神◇G2◇芝2400メートル◇3歳◇出走15頭◇3着までに菊花賞優先出走権

 またルメールだ! 菊花賞前哨戦は3番人気のリアファル(牡3、音無)が逃げ切って、重賞初勝利を決めた。クリストフ・ルメール(36)は、タッチングスピーチで勝ったローズSに続いて2週連続のトライアル重賞V。勢いに乗って10月25日京都の菊花賞(G1、芝3000メートル)でラスト1冠を奪う。

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リアルスティール(右)を振り切り神戸新聞杯を制したリアファルとルメール騎手

 先週と鞍上は同じでも、レーススタイルは真逆だった。リアファルの好スタートを決めたルメール騎手は、首を左右に振ってライバルを確認した。二の脚も速く、すぐ逃げにシフト。前半1000メートル通過1分2秒4に「ちょっと遅い」(ルメール)としめしめ…。手応えよく直線に入り、勢いよくステッキを上下に振るった。後続をどんどん突き放し、メンバー2番目(34秒1)の上がりを発揮。最後はリアルスティールが詰めてきたが、2馬身差をつけての楽勝劇だった。

 今週もルメールが1着の枠場に、満面の笑みで入る。「とてもうれしい。大きいストライドで走る。スタミナはすごいよ」。フランスから応援に来た義父の前で、最高のプレゼントだ。ダートで新馬戦と500万を勝ち、若葉Sに使うプランもあったが「ソエが痛くて」(音無師)とクラシックは断念。夏のマレーシアCでようやく芝に使うと、いきなり快勝。続いてここで重賞Vを決めた。

 これで芝は2戦2勝と、まだ底を見せていない。1カ月後の菊花賞も「スタミナがあるから大丈夫。3000メートルは問題ない」と鞍上はきっぱり。音無師にとっても、08年オウケンブルースリ以来の菊花賞Vがかかる。「トライアルを勝って、胸を張っていける。今日の走りをまたしてほしい」と期待をこめた。ダート路線から鮮やかな変わり身を見せたリアファル。ルメール騎手の手綱で、淀の3000メートルもこなしてみせる。【平本果那】