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最近ある女性からもらった極めてプライベートな写真を
パソコン画面いっぱいに開いて
部分的に拡大しては
また普通の画角に戻して
「ふぅ」とため息をついたりしている!
こう書いた今も
たまらずそれをやってしまった!
ふぅ
写真を送ってくれた女性というのは
先日私が秘境「群馬県」で行ったワークショップ
「伊勢崎大王ファーム」を受講してくれた
「みお」という子だ!
彼女は幸いにして群馬ではなく東京在住なので
私と共に電車で群馬を脱出した!
その時に一緒にいた「さとちゃん」の言葉で
私は一年以上止めていた『ひろぐ』を再開したわけだ!
東京駅で二人と別れ
私は更に大阪へと向かう新幹線に乗り換えたのだが
「みお」は
私との別れをたいそう惜しむLINEを送信してくれた!
そんな彼女に私はこう伝えた!
「”radikoプレミアム”というのに登録したら
『大阪ぴかぴか団』という番組で
東京にいても毎週私に会えますよ!」
彼女から返事が届いた!
「私にはお父さんからもらった
とても古いラジオしかありません!」
それがどんな物なのかなど
まるで興味はなかった!
しかし既に自宅に帰っていた彼女は
そのラジオを写真に撮って送ってくれた!
その写真を見た瞬間
私の全身に強烈な”短波”が走った!
それが!
その写真こそが前述の
”ある女性からもらった極めてプライベートな写真”
なのである!
では私を「ふぅ」と言わせるその写真を
皆さんにもお見せしよう!
聞こえる!
読者の皆さんによる「ふぅ」が
短波に乗って私にも聞こえてきた!
なんと美しい姿なのだろう!
私は興奮による手の震えをこらえながら
猛烈な勢いで返信した!
「みお!
これは!
まさか!
PROCEED(プロシード)か?」
1978年製PROCEED 2600!
発売当時の価格が47,800円にして
現在のオークション価格も
ほぼ同額という名機だ!
「これで?
今も普通に放送が聴けるのかね?」
みおはしれーっと答える!
「特別な事もしないので
ほとんどボタンには触りませんが
ラジオ番組はどれもこれで聴いてます!」
「う、裏を!
後ろから写真を撮ってごらん!」
「・・・はい。」
どうにも遠隔プレイなやりとりになってしまったが
仕方がない!
はい裏!
子供の頃
歳の離れたお兄ちゃんのいる同級生の家に遊びに行くと
ふとお兄ちゃんの部屋を覗きたくなったものだ!
「10秒だけな!」
と同級生に念を押されて
そーっとドアを開けると
なんとも”お兄ちゃん”な部屋が私を圧倒した!
煙草の残り香の中には
絵の無い本!
読めない地名のペナント!
よくわからない外国絵葉書コレクション!
我々が遊ぶ物とはほど遠く精巧な戦艦模型!
ベッドに放り出されたギター!
なんだかエロいレコードジャケット!
そしてそこには必ずと言っていいほど
「BCL」機が鎮座しておられた!
「BCL」というのは
”Broadcasting Listening”の略称で
直訳すれば”放送を聴く”という意味でしかない!
ならば普通のラジオ機でも一緒ではないか
と思われるのだろうが
わざわざ英語で「BCL」と呼ぶ事には
一般の家庭用ラジオとは違う
今では考えられない特別な意味があった!
一般のラジオ機は
ホームラジオと分類され
日本国内の放送だけを受信する!
ところがBCL機は
国内外の周波数帯までをも
大幅に細かく網羅し
ホームラジオよりもはるかに優れた感度を持っている!
お兄ちゃん達がこれで何をしていたかと言うとだ!
夜中に電離層密度が薄くなると
居住地域外もしくは海外のラジオ放送が聞こえて来る!
恐らく全ての昭和人がその経験をしているだろう!
お兄ちゃん達はそれを受信し
どこの地域の何という放送局なのかを
ラジオ雑誌や周波数リスト本などで調べ
その放送局に
「聞こえましたよ!」
と手紙を送る!
もちろんどこに住んでいて
どんなお天気で
どんな機械で
何時に
といった情報を詳しく書かなければいけないが
その書式もまたラジオ雑誌で毎号説明されていた!
その郵送から待つ事数日から数ヶ月!
例え外国の放送局であっても
その受信を証明する
「ベリカード」という物を折返し送って来てくれる!
ベリカードのデザインは各局独特なものであるため
一枚もらえば更に他の局の物も欲しくなる!
お兄ちゃん達は夜中になるとBCL機を駆使して
そのベリカードを収集していたのだ!
つまり!
お兄ちゃんの部屋を覗いた際に壁に見た
”よくわからない外国絵葉書コレクション”
というのがそれだったのだ!
インターネットも無ければ
テレビも一家に一台だった
そんな1970年代に大流行した夜中の趣味である!
たまにお兄ちゃんがいる時に
お兄ちゃんの部屋に入れてもらう事もあった!
月刊プレイボーイなどを見せられ
眠れぬ夜を過ごした事もあったし
ギターを触らせてもらったり
精巧なNゲージ鉄道モデルに
ほんの少しだけ触らせてもらったりもした!
しかし!
BCL機だけは決して触らせてもらえなかった!
それはそうだ!
先のPROCEED 2600であれば
大卒公務員の初任給が9万円だった1978年に
5万円で売られていた機械だ!
置いて眺める物ではなく
自分の部屋と世界をつなぐ
当時考えられる唯一の道具だ!
何をする物なのかも理解できない小学生になど
触らせてくれるものか!
それを娘に譲った「みお」のお父さんも
きっと”大好きな娘になら!”という気持ちで
愛機を託したに違いない!
そうでなければ売り払い
購入当時とほぼ同じ金額を手に入れているはずだ!
だがやがて
国鉄がJRになり
荒井由実は松任谷になり
ジャッキー・チェンが拳銃を持ち始めると
世の中からBCLのブームは消えてしまった!
インターネットが普及し
E-Mailが生まれ
ラジオはスマートフォンで
日本全国の番組を受信できるようになった!
インターネットを使えば
海外のラジオをも聴く事が可能となった!
素晴らしい未来である事は認めるが
その陰で
家にラジオ機があるというのが
ずいぶん珍しい事になってしまった!
「大人になったらBCL機を買おう!」
そんな幼少時代の私の夢は
ほとんど魅力のないものへと霞んでしまった!
もちろん今でも
「ワールドバンドラジオ」と検索すれば
軽量縮小化された高性能BCL機が
いくつも安価で販売されている!
しかしそのあまりにも現代的な外見は
私の心をかすりもしない!
だからだ!
だから私は今でもBCL機を目にすると
あの沢山のボタンやダイヤルに
触ってみたくて仕方が無いのだ!
例え写真であっても
拡大して「ふぅ」と言ってしまうのだ!
私の最大の憧れは
何と言ってもナショナルの「クーガ」だ!
私は「クーガ」を
”人類が作り出した最もかっこいい機械”
と信じて疑わない!
正方形のボディが
まるで「エルンスト・ヘッケル」による
生物スケッチのごとく
見事な配列とバランスで埋められている!
そして更に上から飛び出す
ジャイロ・アンテナなる物のかっこよさ!
これほどかっこいい物が他にあるだろうか?
あるとすれば
学研の「電子ブロックEXシリーズ」ぐらいだろう!
しかしそれが生まれたのは
「クーガ」の三年後である事から察するに
電子ブロックEXのデザインは
間違いなく「クーガ」にあやかったものである!
大人になった今も
私は「クーガ」に触った事がない!
なのでこんなミニチュアを
非常に大切にしている!
最近の私は
”ラジオで話す”のが大好きだ!
関西ローカルで毎週放送している番組
『秘密結社 大阪ぴかぴか団』では
一度も誰かに合わせた嘘をついた事がない!
何かの力を恐れて言葉を止めた事もない!
お世辞を言った事もなければ
格好をつけた事もない!
そんな放送をしていると
他はどんな番組を流しているのかが気になり
全国のラジオを受信するようになってから
”ラジオを聴く”のが大好きになった!
しかし!
自分の記憶を幼少までたどると
私は”ラジオを見る”のも大好きだ!
見たい!
もっともっとラジオが見たい!
ラジオを見てひろぎたい!
なので!
もしもこの『ひろぐ』を読んだ後に
「あれ?
うちにもボタンやダイヤルがいっぱいついた
古いラジオがあるぞ!」
と気づかれた方は
是非とも以下のアドレスに
『ひろぐ』掲載可能な写真を送っていただけないだろうか?
もちろん見たいだけなので
壊れていても一向に構わない!
とにかく私はラジオが見たいのだ!
piper@yoshimoto.co.jp
そしてみお!
君はradikoプレミアムに登録しないでいい!
君は日曜の20:30に東京の自宅で
PROCEED 2600の前に座り
ダイヤルを静かに回して
大阪のABCラジオを探しておくれ!
パソコン画面いっぱいに開いて
部分的に拡大しては
また普通の画角に戻して
「ふぅ」とため息をついたりしている!
こう書いた今も
たまらずそれをやってしまった!
ふぅ
写真を送ってくれた女性というのは
先日私が秘境「群馬県」で行ったワークショップ
「伊勢崎大王ファーム」を受講してくれた
「みお」という子だ!
彼女は幸いにして群馬ではなく東京在住なので
私と共に電車で群馬を脱出した!
その時に一緒にいた「さとちゃん」の言葉で
私は一年以上止めていた『ひろぐ』を再開したわけだ!
東京駅で二人と別れ
私は更に大阪へと向かう新幹線に乗り換えたのだが
「みお」は
私との別れをたいそう惜しむLINEを送信してくれた!
そんな彼女に私はこう伝えた!
「”radikoプレミアム”というのに登録したら
『大阪ぴかぴか団』という番組で
東京にいても毎週私に会えますよ!」
彼女から返事が届いた!
「私にはお父さんからもらった
とても古いラジオしかありません!」
それがどんな物なのかなど
まるで興味はなかった!
しかし既に自宅に帰っていた彼女は
そのラジオを写真に撮って送ってくれた!
その写真を見た瞬間
私の全身に強烈な”短波”が走った!
それが!
その写真こそが前述の
”ある女性からもらった極めてプライベートな写真”
なのである!
では私を「ふぅ」と言わせるその写真を
皆さんにもお見せしよう!
聞こえる!
読者の皆さんによる「ふぅ」が
短波に乗って私にも聞こえてきた!
なんと美しい姿なのだろう!
私は興奮による手の震えをこらえながら
猛烈な勢いで返信した!
「みお!
これは!
まさか!
PROCEED(プロシード)か?」
1978年製PROCEED 2600!
発売当時の価格が47,800円にして
現在のオークション価格も
ほぼ同額という名機だ!
「これで?
今も普通に放送が聴けるのかね?」
みおはしれーっと答える!
「特別な事もしないので
ほとんどボタンには触りませんが
ラジオ番組はどれもこれで聴いてます!」
「う、裏を!
後ろから写真を撮ってごらん!」
「・・・はい。」
どうにも遠隔プレイなやりとりになってしまったが
仕方がない!
はい裏!
子供の頃
歳の離れたお兄ちゃんのいる同級生の家に遊びに行くと
ふとお兄ちゃんの部屋を覗きたくなったものだ!
「10秒だけな!」
と同級生に念を押されて
そーっとドアを開けると
なんとも”お兄ちゃん”な部屋が私を圧倒した!
煙草の残り香の中には
絵の無い本!
読めない地名のペナント!
よくわからない外国絵葉書コレクション!
我々が遊ぶ物とはほど遠く精巧な戦艦模型!
ベッドに放り出されたギター!
なんだかエロいレコードジャケット!
そしてそこには必ずと言っていいほど
「BCL」機が鎮座しておられた!
「BCL」というのは
”Broadcasting Listening”の略称で
直訳すれば”放送を聴く”という意味でしかない!
ならば普通のラジオ機でも一緒ではないか
と思われるのだろうが
わざわざ英語で「BCL」と呼ぶ事には
一般の家庭用ラジオとは違う
今では考えられない特別な意味があった!
一般のラジオ機は
ホームラジオと分類され
日本国内の放送だけを受信する!
ところがBCL機は
国内外の周波数帯までをも
大幅に細かく網羅し
ホームラジオよりもはるかに優れた感度を持っている!
お兄ちゃん達がこれで何をしていたかと言うとだ!
夜中に電離層密度が薄くなると
居住地域外もしくは海外のラジオ放送が聞こえて来る!
恐らく全ての昭和人がその経験をしているだろう!
お兄ちゃん達はそれを受信し
どこの地域の何という放送局なのかを
ラジオ雑誌や周波数リスト本などで調べ
その放送局に
「聞こえましたよ!」
と手紙を送る!
もちろんどこに住んでいて
どんなお天気で
どんな機械で
何時に
といった情報を詳しく書かなければいけないが
その書式もまたラジオ雑誌で毎号説明されていた!
その郵送から待つ事数日から数ヶ月!
例え外国の放送局であっても
その受信を証明する
「ベリカード」という物を折返し送って来てくれる!
ベリカードのデザインは各局独特なものであるため
一枚もらえば更に他の局の物も欲しくなる!
お兄ちゃん達は夜中になるとBCL機を駆使して
そのベリカードを収集していたのだ!
つまり!
お兄ちゃんの部屋を覗いた際に壁に見た
”よくわからない外国絵葉書コレクション”
というのがそれだったのだ!
インターネットも無ければ
テレビも一家に一台だった
そんな1970年代に大流行した夜中の趣味である!
たまにお兄ちゃんがいる時に
お兄ちゃんの部屋に入れてもらう事もあった!
月刊プレイボーイなどを見せられ
眠れぬ夜を過ごした事もあったし
ギターを触らせてもらったり
精巧なNゲージ鉄道モデルに
ほんの少しだけ触らせてもらったりもした!
しかし!
BCL機だけは決して触らせてもらえなかった!
それはそうだ!
先のPROCEED 2600であれば
大卒公務員の初任給が9万円だった1978年に
5万円で売られていた機械だ!
置いて眺める物ではなく
自分の部屋と世界をつなぐ
当時考えられる唯一の道具だ!
何をする物なのかも理解できない小学生になど
触らせてくれるものか!
それを娘に譲った「みお」のお父さんも
きっと”大好きな娘になら!”という気持ちで
愛機を託したに違いない!
そうでなければ売り払い
購入当時とほぼ同じ金額を手に入れているはずだ!
だがやがて
国鉄がJRになり
荒井由実は松任谷になり
ジャッキー・チェンが拳銃を持ち始めると
世の中からBCLのブームは消えてしまった!
インターネットが普及し
E-Mailが生まれ
ラジオはスマートフォンで
日本全国の番組を受信できるようになった!
インターネットを使えば
海外のラジオをも聴く事が可能となった!
素晴らしい未来である事は認めるが
その陰で
家にラジオ機があるというのが
ずいぶん珍しい事になってしまった!
「大人になったらBCL機を買おう!」
そんな幼少時代の私の夢は
ほとんど魅力のないものへと霞んでしまった!
もちろん今でも
「ワールドバンドラジオ」と検索すれば
軽量縮小化された高性能BCL機が
いくつも安価で販売されている!
しかしそのあまりにも現代的な外見は
私の心をかすりもしない!
だからだ!
だから私は今でもBCL機を目にすると
あの沢山のボタンやダイヤルに
触ってみたくて仕方が無いのだ!
例え写真であっても
拡大して「ふぅ」と言ってしまうのだ!
私の最大の憧れは
何と言ってもナショナルの「クーガ」だ!
私は「クーガ」を
”人類が作り出した最もかっこいい機械”
と信じて疑わない!
正方形のボディが
まるで「エルンスト・ヘッケル」による
生物スケッチのごとく
見事な配列とバランスで埋められている!
そして更に上から飛び出す
ジャイロ・アンテナなる物のかっこよさ!
これほどかっこいい物が他にあるだろうか?
あるとすれば
学研の「電子ブロックEXシリーズ」ぐらいだろう!
しかしそれが生まれたのは
「クーガ」の三年後である事から察するに
電子ブロックEXのデザインは
間違いなく「クーガ」にあやかったものである!
大人になった今も
私は「クーガ」に触った事がない!
なのでこんなミニチュアを
非常に大切にしている!
最近の私は
”ラジオで話す”のが大好きだ!
関西ローカルで毎週放送している番組
『秘密結社 大阪ぴかぴか団』では
一度も誰かに合わせた嘘をついた事がない!
何かの力を恐れて言葉を止めた事もない!
お世辞を言った事もなければ
格好をつけた事もない!
そんな放送をしていると
他はどんな番組を流しているのかが気になり
全国のラジオを受信するようになってから
”ラジオを聴く”のが大好きになった!
しかし!
自分の記憶を幼少までたどると
私は”ラジオを見る”のも大好きだ!
見たい!
もっともっとラジオが見たい!
ラジオを見てひろぎたい!
なので!
もしもこの『ひろぐ』を読んだ後に
「あれ?
うちにもボタンやダイヤルがいっぱいついた
古いラジオがあるぞ!」
と気づかれた方は
是非とも以下のアドレスに
『ひろぐ』掲載可能な写真を送っていただけないだろうか?
もちろん見たいだけなので
壊れていても一向に構わない!
とにかく私はラジオが見たいのだ!
piper@yoshimoto.co.jp
そしてみお!
君はradikoプレミアムに登録しないでいい!
君は日曜の20:30に東京の自宅で
PROCEED 2600の前に座り
ダイヤルを静かに回して
大阪のABCラジオを探しておくれ!
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