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ニャンとも言えない一二三伝説 vol.33
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ニャンとも言えない一二三伝説 vol.33

2013-09-26 12:39

    ニャンとも言えない一二三伝説 vol.33
                                           
    □―――――――――――――――――――――――――――――――――――――□ 
      目次           2013.9.26
    ■―――――――――――――――――――――――――――――――――――――■ 
      ・恥じるべきではない敗戦
      ・失敗を教訓にしてこそ
      ・人事を尽くして天命を待つ

    ・…………・…………・…………・…………・…………・…………・…………・   
      恥じるべきではない敗戦
       ―――――――――――――――――――――――――――――――――――    
    みなさんこんにちは。加藤一二三です。
    今回は2000年3月にNHK教育テレビ(現在のEテレ)の
    『N響アワー』に出演したときのことをお話しします。

    収録はその年の2月に行われました。
    確かNHK杯戦で谷川浩司九段と対戦する前のことだったと記憶しています。

    谷川九段戦は後手の三間飛車に対して
    私が採用したのは十八番の棒銀です。

    谷川九段はその前のNHK杯戦でも三間飛車を採用して勝利を収めていたので、
    私との対戦でも三間飛車を用いてくるということは予想できていました。

    専門的になりますが、三間飛車に対する棒銀は
    四間飛車のときに比べて一手損になります。

    しかし、その手損は私には響かないのです。

    それよりも好きで実戦経験の多い形になるメリットのほうが
    大きいのではないか、と私は考えています。

    実際、谷川九段戦で快勝を収めることができました。
    谷川九段に久しぶりに勝ったのです。

    一方、私に久しぶりに負けた谷川九段は、
    たまにはそんなこともあると思っているだろう、
    と私はなんとなく想像していました。

    ところが、しばらくして朝日新聞社主催の会食の席で、
    ある観戦記者の方がこのときの戦いのことを話題にしました。

    すると谷川九段は「せっかく忘れていたのに」と
    少し不快そうな様子をみせたのです。

     
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