ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その21(2,135字)
一九七三年六月、「あしたのジョー」の連載を終了させたちばてつやは、二ヶ月後、二つの連載を開始する。
一つは、同じ少年マガジン誌で発表した『おれは鉄兵』。もう一つは、『ビッグコミック』誌で発表した『のたり松太郎』だった。
この二つの作品は、マンガ史的にも当時の状況を色濃く反映している。
まず後者の『のたり松太郎』が掲載された小学館のビッグコミック誌は、大手出版社が手がけた初めての青年誌であった。
マンガは、戦後すぐは子供向けにスタートしたが、やがてその最初の読者が大人になりかからんとした一九六四年、日本最初の青年誌である『ガロ』が創刊し、大きな話題を集める。『ガロ』は、その芸術的な内容とも相まってカルト的な人気を博した。
これに触発された小学館が、よりエンターテインメント性の強い『ビッグコミックを一九六八年に創刊し、それ以上に人気を集めていた。この頃から、マンガは単に子供が読むためだけのもの
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