編集者は、プロ語とアマ語を話さなければならない。作家の話す「プロ語」を聞きつつ、彼らにアマ語(アマチュアからの言葉、欲求)を伝えなければならない。

このとき、気をつけなければならないのは、編集者は基本的にプロ語を話す(プロと話す)ことの方が多い、ということだ。編集者といえども、読者と話す機会は滅多にない。また、読者と話しても、必ずしもそこで実りある意見を得られるわけではない。

マーケティングの世界ではよくいわれることだが、顧客は基本的に彼ら自身の欲求を知らない。また知っていても、それを意識化したり、言語化したりすることが非常に苦手である。
それゆえ、例えば女子高生に「どんな携帯電話がほしい?」と聞いても、彼らは既存の機能しか応えられない。そのため、新商品、あるいは新機能を開発する際には、全く役に立たないのだ。

そこで編集者は、アマ語を話すときには、彼らの言葉を直接聞くのではなく、心の声を聞かなけれ