ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その30
『鉄腕アトム』は、いろいろな意味で「鬼っ子」だった。
例えば、表現的には必ずしも評価されたわけではなかったが、しかしその人気はすさまじかった。これによって、テレビ局やキャラクター商品を発売した玩具メーカーは莫大な利益を上げたといわれている。
また、手塚がこれを安い値段で受注したため、後のアニメーター待遇が悪くなったと批判する人がいる一方、『鉄腕アトム』のヒットによってアニメの人気が定着し、その後、制作本数が増えたり、制作費が上がったりといった恩恵もあった。『鉄腕アトム』が、アニメ人気を普及させた功労者であるのは間違いないのだ。
そういうふうに、『鉄腕アニメ』は当時も今も、毀誉褒貶喧しい問題作だ。
この作品には、こんな逸話がある。『鉄腕アトム』を立ち上げるとき、東映動画から移籍してきたアニメーターのりんたろうが、あまりの制約の多さ(表現できることの少なさ)に、「これはアニメーションではない」
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