ハックルベリーに会いに行く
あしたの編集者:その14「『分からない』ことと『分かる』ことのバランス」(1,748字)
前回は、「分からない」ことが人間の生きる力の源だ、と書いた。
人間は、分からないから生きる。なぜ分からないことが生きる力になるかといえば、知りたいからだ。人間は、知ることによって大きな喜びを得る。その喜びを得るために生きようとする。
それゆえ、いろいろなことが分からない子供は、頻繁に「分かる」という瞬間にでくわす。毎日が「分かる」ことの連続だ。おかげで、人生が大きな喜びに満ちている。
一方、老人の毎日は「分かる」瞬間が少ない。そのため、喜びが少なく、生きる気力も減退してしまう。
そう考えると、「分からない」ことが常に身の回りにあるというのが、上手く生きるコツだといえよう。幼い頃は、誰でも「分からない」ことが身の周りに溢れているから、わざわざ見つけに行く必要もない。しかし大人になってくると、じっとしていても向こうから「分からない」ことはやってこないので、自分から見つけにいかなければならない。
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