ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その43(2,071字)
『スペースインベーダー』は、ある意味、日本の美的感覚が集積したような作品だ。
まず、容量が限られている中でキャラクターをデザインした。映画『宇宙戦争』をモチーフにしたため、攻めてくる宇宙人をタコ、イカ、カニといった海洋生物をモチーフにしたのだが、それを8×8、あるいは8×16のマス目に収める必要があった。それしか容量がなかったからだ。
おかげで、デザインは方眼紙のマス目を埋めるという形で為された。しかも、それをアニメーションさせるため、それぞれ2パターン用意した。
また、敵のミサイルは、敵の体から直接発射されるのではなく、一段下の少し離れたところから発射される(ミサイルが出たことを示す必要があるため、アタリ判定はさらにその下だ)。なぜかというと、敵の体から直接発射されると、糞尿を垂れ流しているようで醜く見えたからだ。そうした美的感覚から、少し離れたところから発射させることにしたのである。
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