ハックルベリーに会いに行く
生きるのが難しい(2,097字)
ぼくは昔から生きるのが難しい。
なぜかといえば、分かっている人からは認められるが、分かっていない人からは徹底的に嫌われ、そして世の中は圧倒的に分かっていない人の方が多いものだから、だいたいがつらい局面になるからである。しかしながら、分かっている人からは認められているので、それを反省するチャンスがなかなかない。これでいいと思ってしまう。つまり痛し痒しのダブルバインドなのだ。抜け出せない蟻地獄なのである。
若い頃にこういうことがあった。
放送作家としてある番組に携わっていて、しかしながら周りがバカばっかりで、徹底的に抵抗していたら番組をクビになった。とてもショックだったが、その番組の司会者だった古舘伊知郎さんだけは、その後もぼくを番組に戻したらと言ってくれていたと、後になってその番組のプロデューサーから聞いた。古館さんだけは分かってくれていたのだ。しかし、他の人には全く分かってもらえなかったか
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