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イカロスは、ギリシア神話に登場する人物の一人だ。彼は、職人(科学者ともいえる)の父・ダイダロスとともに、迷宮に幽閉されていた。そこで父が、科学の力で羽根を作り、それを使って飛ぶことで、脱出に成功した。
ただその際、息子は父から「羽根を固定している蝋が溶けてしまうから太陽には近づきすぎるな」と警告される。しかしそれにもかかわらず、イカロスは自らの力を過信し、太陽に近づきすぎる。そのためあえなく墜落し、死んでしまうのだ。
この話を聞いて、福島の原子力発電所のことを思い浮かべない日本人は、おそらくいないだろう。一見便利な、めざましい科学の発展が、やがて過信を招き、大きなわざわいにつながるというのは、ギリシア時代以来、人間が何度もくり返してきたことだ。
しかしそれゆえ、それは人間にとっての宿命――あるいは本質と言い換えることもできる。失敗をくり返すことは、実は単に愚かさの証明ということだけではなく
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