ハックルベリーに会いに行く
あしたの編集者:その35「バッターボックスに立ち続ける方法:後編」(1953字)
バッターボックスに立ち続けるために必要な能力の第三は、「演出力」である。何を「演出」するかというと、「ヒットを打ちそうだ」という気配である。あるいは、ヒットを打てなかったとしても「あいつが打てなかったらしょうがない」と思わせる雰囲気である。
例えば、野球のイチローを観察していると、バッターボックスに立ち続けるために必要な「演出力」とは何か、ということがよく分かる。どういうことかというと、凡退した後の態度が、他のバッターと全く違うのだ。
他のほとんどのバッターは、凡退すると悔しそうな態度を見せる。それに対してイチローは、凡退するとかえって堂々とした態度を取る。凡退したときにこそ、胸を張ってベンチに戻るのである。
それを見た周囲の人々はどう思うか?
悔しそうな態度を見せると、それはすなわち「打つチャンスがあったのではないか?」と疑わせるところがある。悔しがるということは、「本当は打てた球なのに
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