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ぼくは『もしドラ』が売れる前にあるお金持ちの人から「お金持ちになるといろんな人が寄ってきてお金を貸さなければいけないので大変だ。お金を貸すとお金とともに友情まで消し飛ぶので岩崎さんも気をつけた方がいいよ」ということを言われていた。
それで『もしドラ』が売れて実際お金持ちになったときに誰が来るかと戦々恐々としていたのだけれど、ぼくの場合は一人も友だちが寄ってこなかったのでお金も友情も失わずに助かった。というより、そもそも友だちが一人もいなかったので失う友情もなかったというオチがついたわけである。
それでも寄ってくる人はいてそれは仕事上のつきあいのある人だ。その人がある日証券会社の人を紹介してくれてそれこそつきあいで株を買わなければいけなくなった。
ぼくはそれまで株に全く興味がなかったのだけれど、これがつきあいで買ってみると存外に面白かった。何が面白かったかというと毎日市況を眺めるようになって
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