ハックルベリーに会いに行く
スイッチひとつ遊ぶのにも文化資本が必要というお話(1,696字)
ぼくは児童書の仕事を始めてから積極的に「子供」と接する機会を持つようにしている。それが役立つかどうかは分からないが、しかし彼らの実態を少しでも知らないと児童書を作りようがないと思っているからだ。
そうして定期的に会う機会を持つようにしていると、いろいろ目から鱗が落ちてくる。
例えばぼくらの中では「子供たちの憧れの職業トップが今YouTuberらしいよ」などとまことしやかに噂されたりしている。ただ、それはデマとはいわないまでも、ちょっとオーバーに表現したものではないかという予断もなんとなくあった。「ちょっと盛っているのではないか?」と疑っていたのだ。
ところが実際に話を聞いてみると、事態はもっと進行していた。彼らが接するメディアやコンテンツの中核に、今YouTubeがあるのだ。
今の子どもたちは、本を読まないがマンガも読まない。テレビは見るがアニメかアイドルの番組しか見ない。『進撃の巨人』は
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