今、クリエイターが生き残るには人心を穿つ必要がある。逆に、それ以外に生き残りようがない。

近頃、倉本聰の『やすらぎの郷』というドラマを見ている。ネットで評判になっていたから見始めたのだが、もともと昨年NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で倉本聰が特集されていて、そのとき『やすらぎの郷』の脚本を書いているところが描写されていて、興味を持った。彼は毎日、自分の中の井戸を掘るようにして書き続けていたので、これは面白いに違いないとそのとき思った。

その通り、ドラマは面白くなっているのだが、なぜ面白いかといえば、それは人心を穿つからだ。違う言い方をすれば、意表を突かれる。ハッとさせられるともいう。驚かされるといってもいい。とにかく「よくこんな台本を書くよな」と感心させられるのだ。

なぜ感心しているかといえば、はっきりと勝負しているからだ。手癖で書いていない。自分の守備範囲内で描いていない。新し