ハックルベリーに会いに行く
なぜ給料が上がらないのか?(1,706字)
最近「企業の業績は上がっているのに社員の給料が上がらない」という話をよく聞く。日本経済は、数字は確かに上向きなのだが、生活者、消費者にその実感がない。とりわけサラリーマンは、その恩恵にあずかれていない。
なぜか?
これについては、いろんな人がいろんなことを言っているが、ぼくは一経営者の立場から、自分が今思っている実感を述べたいと思う。これは、定量的なデータがあるわけではないから資料的な価値にはならないが、しかし小さな出版社の社長が何をどう見、どう考えているのかのささやかな参考にはなるだろう。
ぼくは今、岩崎書店という出版社の社長をしている。社員は30人くらいで、創業は80年以上前の老舗だ。児童書の専門出版社で、図書館向けの本と一般書店向けの本の両方を作っている。
なぜぼくがその社長をしているかというと、創業者の孫だからという理由が大きい。いわば世襲みたいな形で、それを引き継いだのだ。
社長をする前、ぼくはフリーのライターをしていた。本を出したりもした。その仕事は、それなりに堅調だった。
そうしたときに、岩崎書店の社長を引き受けたのだ。そして社長業というのは、普通は激務なので、以前の仕事は辞めるものだ。とてもではないが、フリーライターなどはしていられなくなるようにも思える。
しかし、ぼくはフリーライターを辞めなかった。ライター業は今でも続けており、社長になってからも本を出した。あるいは、現在も進行中の企画がある。
さらに、ぼくはライターと社長をしながら、同時に編集者の仕事も始めた。ぼくが社長を務める岩崎書店で、今年計5冊の本を出した。
そんなふうに、今はライター、社長、編集者の三足のわらじを履いている。それに加えて、営業をしたり、プロモーションをしたりもしている。
なぜそれだけたくさんの量の仕事ができるかといえば、それはひとえに「テクノロジーの恩恵」といえるだろう。パソコンが発達し、原稿を書くのが早くなった。インターネットが便利になって、調べ物も速やかになった。スマホができて、移動や連絡が格段に楽になった。
そんなふうに、最新のテクノロジーを可能な限り駆使することで、これまでと同じ時間で、よりたくさんの仕事ができるようになったのである。
おそらく20年前はもちろん、10年前でもそんな仕事量はなかなかこなせなかっただろう。実感値でいうと、10年前の5倍は仕事をこなせるようになった。
しかしながら、そんな時代にも10年前、20年前と同じ働き方をしている人がいる。例えば、会議にいちいち資料をプリントアウトして、それをホッチキスで留め、出席者全員に配り、終わった後にはシュレッダーにかける。そうした、無駄にあふれた旧態依然とした仕事のやり方が、まだ平気でまかり通っているところも少なくない。
いや、実はそういうものがなかなかまかり通らなくなりつつある。そういう働き方をしている人は、徐々に徐々に、社会から取り残されている。
ぼくは、そういう人たちの価値が下がっていることが、給料がなかなか上がらないことの理由の一つではないかと考えている。
というのも、時代の変化に対応して、働き方を変革し、仕事量を10倍にした人は、やっぱり収入が上がっている。今の好景気の恩恵をちゃんと受けている。
ただ、その数がまだまだ少ないため、全体として給料が上がらないのではないだろうか。
ところで、今は昔に比べると転職のハードルは格段に下がった。ぼくの周りにも、新卒から同じ会社に勤め続ける人というのはほとんどいない。また社会も、転職する人をうさんくさい目で見るということは全くなく、むしろ「能力のある証拠」という価値観が築かれつつある。
そういう時代に、給料の低いことが不満だったら、普通は辞めるはずだ。
しかしそれでも辞めないのなら、いろいろな理由もなくはないだろうが、結局は「他に行って給料の上がる当てがないから」というのが本当のところではないだろうか。
ぼくは、多くの人の給料が上がらない理由をそのように見ている。実は、新しい働き方に馴染めず、従って生産性が低いまま推移している人たちが、低い給料に甘んじているから、転職が活性化せず、給料が上がらないのだ。
コメント
コメントを書くライターも社長も編集者もやってるぼくちゃんすごい!って事を伝えたかったのか?
タイトルと全く関係無い文章だと思うが。頭ン中何歳児だよ
イイ歳ブッこいたオッサンが「ぼく」てwww
少しは他人様に読まれるって事を意識したほうが良いんじゃない?
結論も転職しない事が原因とか述べておきながら統計すら出していない
本業の子供向け書籍に専念してブロマガはもうやめとけ。君にはまだ早い
人件費って最も無駄な金だからね
何故好景気なのに給与が上がらないのか
ではなく
給与が上がらないからこそ好景気なんだよ
理由はいくつかある
会社役員と平社員の距離が遠くなって、会社役員と株主との距離が近くなったこと※物言う株主が取り上げられた頃からか
地元地域にお金を落としやすい個人事業主が減り、企業が大型化・都市部に集中して地域との格差が増えたこと
そもそも今の日本は金の流れを追うと下は絞られ上に集まり上で停滞するだけ
ベーシックインカム程度でどうにかなる問題でもなく、革命でも起こして金の流れを変えない限りこのまま格差は広がる
無能力者にとっては、自分の給与を上げるための環境を整えるだけのお金を蓄える事が出来ないのだが
×給料の低いことが不満だったら、普通は辞めるはずだ。
○給料の低いことが不満だったら、普通はストライキをするはずだ。
ところがストライキをした結果サービスレベルが下がり、会社自体が衰退して分割されたり破産した会社も結構いるわけで。
この社長ライターは、わかってない。経済には川上と川下があるのだ。上から順に水が浸透してくるのだ。
中小企業の社長ライターには、そりゃ好景気の恩恵は、まだまだ受けられないだろう。大企業の上流に勤務しながら副業でマンション転がしてる奴なら、好景気の文章を書くことができる。
貧乏人に好景気の文章が書けるわけないだろうが。
うちの会社の社長は80歳オーバーのおじいちゃんです。
健康には気を使ってるのでまだまだ元気だから次期社長に代わるのはかなり先でしょう。
そして考えがやはり昔ながらのままなのは言わずもがな。
だからって80歳オーバーのおじいちゃんに、
時代は変わったから今はこうするのが効率がいいって言って聞くと思うか?
温厚な性格の社長でも無いし不可能なんだよね。
どうあがいたって時代の変化に対応出来ないパターンだってあるのさ。
こんな会社で給料も安いが、やっぱり辞めないのは有給取りやすい残業少ない家から近い揃ってるからだろうな。
>>25
ってか、円安政策自体がそもそも人件費下げるためのものだから
労働者階級がよくなった実感なんて持てるわけないんだよなぁ
時価総額1位のトヨタも春闘1300円だったか?
お前の言う上層ってのはどこを指してるんだ?宇宙か?
日本はGDPがさほど伸びていません。つまり経済成長していないわけです。すなわち今の日本経済はゼロサムゲームです。ゼロサムゲーム下では全体が好景気になるということはありません。得と損はプラスマイナスゼロになります。ということは、企業の業績が上がってるのは、何かの犠牲の上に成り立っているはずだと容易に想像できます。犠牲にしている何かはいろいろあると思いますが、その一つが社員の給料なわけです。社員に還元すべきお金を還元せずに、業績が上がったように見せかけてるということです。だから給料が上がらないわけです。