ハックルベリーに会いに行く
70年代について考える:その1(2,322字)
最近、70年代という時代について考えている。
きっかけは、70年代というのは出版が伸びた時代だからだ。出版が急成長した。
そして10年代は、出版が急下降している。つまり、今の時代の鏡像なのが70年代なのだ。
その意味で、70年代は10年代を生きる我々にとって参考になる。70年代を鏡に映すことで、見えてくる10年代もあるのではないか?――というわけである。
では、ここからは70年代とは何か?――ということを考える。
日本という国は、60年代に高度経済成長の流れの中で国全体が高揚して盛り上がっていた。64年の東京オリンピックが象徴的なできごとだが、とにかく建設ラッシュで国立競技場や首都高や新幹線などができて国全体の形が変わっていった。
国の形が変わると国中が未来感に包まれたような気分になって躁状態だった。だから60年代の日本というのはものすごい勢いがあった。その躁状態がお祭り気分を後押ししたか
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