なぜ建築の影響が大きいかといえば、それは人間の無意識に訴えかけるからである。だから、それに左右されやすいのだ。
人間というのは、表層意識に訴えかけられるものなら対処できる。例えば、目の前にものすごい美人(もしくはイケメン)がいたとする。あなたは、思わずその人に恋心を抱く。
しかしその恋心は、すぐに自制できる。こんなに美人(イケメン)なら、きっと恋人がいるはず。迂闊に恋心など抱かない方がいい――と。なぜ自制できるか? それは、美人やイケメンであるという情報は、その人の表層意識に訴えかけるからだ。
人間は、目で見た情報はたいていの場合表層意識で認識する。目の前に美人やイケメンがいれば、「きれいな顔だなあ」と思うのと同時に、(自分は今、この人の顔をきれいだと思っているな)ということも認識できるのである。だから、それを制御するのも比較的容易になる。
しかしながら、これが例えばその人の話し方だったりすると、そうはいかない。それを表層意識で認識するのは、なかなか困難なのだ。
コメント
コメントを書く引っ越したのですが部屋が広くなったら、
ものも片付くようになり、
ネットにすこしづつ依存しなくなってきました。
自分にとってですが、暇つぶしをしなくなりました。
天井が高くなってから気持ちの持ちようが変わったように思います。
>>1
天井の高さも無意識に訴えかけますね。低いとやはり圧迫されてせかせかするようになるのです。
人が動いている時には止まっている空間が、止まっている時には動線や光が、自分と相手が互いの場と身体から受ける情報の質を非対称にし、片思いを生むということでしょうか。
>>3
そうですね。実は空間は人が動いている時にも動いているんです。そのため、人間同士の情報の質を非対称にし、恋を生むということもありますが、そこに入った人間が、人間以外のもの(たとえば神)に敬虔な気持ちを抱く――という効果もあります。