20世紀の後半、科学の目覚ましい進歩によって社会はどんどんと変化・進化していきました。しかしその過程で、一つの弊害が生じました。それは、科学の「タコツボ化」と呼ばれる現象が生じたのです。

タコというのは、ツボを置いておくとその中にすっぽりと収まります。そのため、たくさんのツボを並べると、狭い場所にたくさんのタコが収まるようになるのです。
タコは、ツボにすっぽりと収まるので、お互いに干渉しません。そうしてたくさんのタコが収まるようになるのですが、その一方でタコ自身は、周囲が全く見えなくなります。

科学の研究も、これと同じような現象が起きました。科学者はたくさん生まれたのですが、その多くが研究室にすっぽりと収まってしまいました。そこで他人に干渉されることなく研究に没頭したため、周囲が見えなくなってしまい、研究が先鋭化して周りとの調和が取れなくなったのです。結果、そこでの研究は社会の役にまるで立