ぼくにはもうすぐ子供が生まれる予定だ。それで、自然と街中でも見知らぬ子供に目が行ったり、彼らの生活に思いを馳せたりするのだが、そういうときに思うのは、今の子供は生きていくのが大変だろうなということだ。

先日もたまたま幼稚園の前を歩いていたら、幼稚園が終わる時間に合わせてお母さんたちが集合していた。お母さんたちは、自分の子供が幼稚園から出てくるのを待っていたのだが、その空気が微妙なのである。

というのも、お母さんたちは彼ら同士、けっして仲がいいわけではない。しかし、子供たちの手前、あるいは幼稚園の手前、仲良くしなければならないという空気がある。それが良識的な母親とされているからだ。
だから、他の母親に対して非常に気を遣っている。ときには非常識な人が紛れ込んでいたりもするのだろうが、それにさえも気を遣わなければならない。

そういうお母さん同士の集まりというのは、必ずしもフラットな関係ではなく、