最近、食についてずっと考えている。というのも、食というのは考えれば考えるほど難しいからだ。そして、難しいからこそ考えがいもある。

まず難しいのは、食についての混沌とした状況だ。「混沌とした状況」というのは、ぼくにとって「健康に良く美味しい食べ物」というのは、だいたい安価なのである。これは一体どういうわけなのか?

今、スーパーに行くとリンゴがたくさん売られているが、高価なリンゴほど甘い。ところが、ぼくにとってリンゴは甘ければ甘いほど美味しくない。そしてもちろん、健康にも良くない。健康に一番いいのは一番甘くないリンゴで、それがぼくにとっては一番美味しいのだが、なんと一番安いのである。

肉もそうだ。肉の中で一番健康に良く、しかもぼくにとって美味しいのは鶏の胸肉なのだが、それが一番安い。逆に、健康に悪く、しかもぼくにとって美味しくない牛の霜降り肉が、なんと一番高価なのだ。これは一体どうしたことなの