ハックルベリーに会いに行く
お金をかけずにたった三ヶ月で知的生産性を爆発的に飛躍させる方法:その7(2,135字)
字の発明によって衰えた人間の能力とは「記憶力」である。
字ができる以前、人は記憶を頭の外に残しておくことができなかった。だから、必要なことは全部覚えておく必要があった。
しかし字ができたことによって、記憶を外部保存できるようになった。だから、記憶する必要が少なくなり、その能力が落ちたのである。これまでのように全てを覚えておく必要がなくなったため、そこに脳のリソースを割かなくなったのだ。
では、それによって人間自体は退化したのか?
記憶力が低下したことで、何か問題は起きたのか?
そこで起きたことは、実は逆であった。人は、記憶に脳のリソースを割かなくなった分、発想力やひらめきに脳のリソースを割けるようになり、そちらの能力が上がったのだ。そうして、さらにさまざまなものが発明され、文明はより一層進歩したのである。エジプト文明やメソポタミア文明が花開いた根底には、そんな字の発明というものがあった。
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