イノベーションには三段階ある。

一、考えること
二、すぐれたアイデアを生み出すこと
三、実行すること

今回は、このうちの「二、すぐれたアイデアを生み出すこと」について見ていきたい。


まず、「すぐれたアイデア」とは何か?
それは、テーゼとアンチテーゼを踏まえつつ、その両方の願いを叶えるもの――ジンテーゼ――のことだ。みんなが満足する方法のことである。これこそがすぐれたアイデアだ。

では、すぐれたアイデアはどのように生み出せばいいのか?
その最初のステップは、「捨てる」ということである。「捨てる」というのは、イノベーションにおいて最も重要な概念といえるだろう。

これを、簡単な例で説明したい。

まず、行き詰まっている状況というのは「部屋が汚れている」ようなものだ。
このとき、最初に「部屋をきれいにしたい」という欲求がある。これがテーゼである。
次に、部屋をきれいにするには手間がかかる。そのため「