週末に見たい映画#015「フェリスはある朝突然に」（2,096字）

「フェリスはある朝突然に」というのは少し変わった映画である。いや、かなり変わった映画である。しかし、映画らしい映画でもある。もっといえば、とても本質的な映画だ。だから、本質的な映画を見たいと思う時には、この作品を見ることをおすすめする。

どのように本質的かというと、この映画のテーマそのものが、とても映画的なのだ。
この映画は、フェリスという主人公の、とある休日を描いたものだ。そのため原題は「Ferris Bueller's Day Off」つまり「フェリス・ビューラーの休日」となっている。
内容は、主人公のフェリスが、ある朝あまりにも天気がいいので、学校をサボってシカゴの街に遊びに出かける――その1日の様子を時系列に紹介しているものだ。

つまりこの映画は、ある一つのエピソードを、空間や時間を含めて四次元的に表現しているのである。この映画を見た観客は、フェリスの休日を、シカゴという街における移動や1