ハックルベリーに会いに行く
忖度ジャパンの終焉(1,686字)
コロナウイルスはなかなか興味深い展開になっている。もちろん、ウイルスが広まることは深刻な問題なのだが、それ以上に、ウイルスの広まる経緯が今の時代の滑稽さを浮き彫りにしている。
最も滑稽なのは、いうまでもなくダイアモンド・プリンセス号をめぐるドタバタである。対応に当たったほとんど人たちがお互いに忖度しあって、結果的にウイルスのさらなる拡散を招いた。抑止するどころかむしろ状況を悪くさせた。
なぜそういう悲喜劇を招いたかというと、これは別に皆が安倍首相に忖度しているからではない。上司や役人、あるいは被害者である乗客に忖度しているからでもない。みんながみんな、全員に対して忖度しているからだ。
「忖度」というのは、事を荒立てないようにするということだ。目の前に存在するウイルスを、まるでなかったことのように振る舞う。その結果、ウイルスは撲滅を逃れるどころか、逆に拡散を許される格好となり、晴れて日本に上
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