ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その8(1,680字)
ここで、名作マンガがその時代時代の読者の、どんな身体感覚に訴えかけたかを見てみたい。
『新宝島』
戦後の焼け野原で米軍のジープに憧れる子供たちの身体感覚。
スポ根もの
テレビでスポーツ中継を見、運動選手に憧れた子供たちの身体感覚。プロレス、ボクシング、そしてオリンピック。
野球マンガ
野球少年の身体感覚。
ちばてつや
戦後日本の窮屈な状況――特に狭い空間に閉じ込められた子どもたちの身体感覚。それを打破したいという夢をちばはマンガの画面で叶えた。『あしたのジョー』以外のちば作品は、いずれも「狭苦しさから脱却」をテーマとしている。
70年代少女マンガ
女性の自立(教師)と旧世界の抑圧(母親)によって引き裂かれた少女たちの身体感覚。それを最もよく表したのが萩尾望都。
大友克洋
SF映画の薫陶を受けた子供たちの身体感覚。テクノロジーによって移動がハイパーになることへの夢想。新しい乗り物への憧れ。
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