ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その13(1,638字)
写真における「ボケ」の価値というのは興味深い。そもそも、ボケは西洋的合理主義の中では失敗ととられていた。そのため、写真が誕生して以来、長い間人々はボケのない写真を撮ることに腐心してきた。
しかし、カメラのレンズは長い間なかなか性能が上がらなかったので、ボケることは避けられなかった。そのため、ほとんどの人は「ボケがある写真」の価値を分かっていなかった。
しかしながら、20世紀後半に主にニコンとキャノンをはじめとする日本のレンズが急速に進化した。そのため、パンフォーカス(画面の全てでピントが合うこと)が容易になり、世の中がパンフォーカスの写真で溢れるようになった。
すると、今度はそれまで当たり前だった「ボケがある写真」が再評価されるようになった。しかも、最初は単なるノスタルジーと思われていたのが、次第にむしろパンフォーカスより価値が高いのではないかと考えられるようになった。
この動きに真っ先に
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