ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その34(2,563字)
浦沢直樹はなぜ面白くないのか?
これは非常に難しい設問である。なぜなら、浦沢直樹を「面白くない」と思う自分がいる一方、「面白い」と思う自分もまたいるからだ。
浦沢直樹の代表作の一つ、『MONSTER』が1994年にビッグコミックオリジナルで連載が始まったとき、ぼくは雑誌から読んでいたのだが、「これは凄い作品だ」と興奮したことを覚えている。当時のぼくはもう働いており、マンガへの関心は以前ほどにはなかったが、それでもこの作品はビッグコミックオリジナルを買うといの一番に読むようになった。当時粒ぞろいだった同誌の中でも、ダントツに面白かったからだ。
しかし、話が中盤を過ぎた辺りから、次第に面白くなくなっていく。ぼくの興味とは別の方向へ、話の筋が向かうからだ。
筋は、犯人の「内面」に迫っていく。それが、ぼくにはどうでも良くて、徐々に興味を失っていった。
この徐々に興味を失っていく感覚を、当時のぼくは
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