ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その39(1,985字)
ニヒリズムという思想は、現代の人々にはほぼ忘れ去られている。しかし終戦から70年安保の頃くらいまで、若者の間にはその嵐が吹き荒れていた。とにかく、ニーチェが流行りまくった。若者は、一も二もなくニーチェを読んだ。
『おれは鉄兵』という、ちばてつやが1970年代(つまりニーチェの流行が終息した直後)に描いた、ぼくの大好きなマンガがある。
このマンガには、主人公・鉄兵の友だちとして、ニーチェを読みまくる中学生が出てくる。あだ名はそのまま「ニーチェ」で、『ツァラトゥストラは如く語りき』を読んで興奮したりしているのだが、運動は全くできず、また勉強もできない。しかしながら、運動神経抜群ではあるもののやっぱり勉強はできない鉄兵とは馬が合い、奇妙な友情を構築していく。
ぼくは、このニーチェというキャラも好きだったが、その描かれ方は、「ニーチェのような時代遅れの本を読んでいる堅物ゆえ
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