ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その47(1,756字)
マンガは、人間の無意識につながりやすい。しかも、フィルターなしでダイレクトにつながりやすい。それがマンガという表現形式(メディア)の最も大きな魅力の一つだ。
だから、ある一個人が自分の無意識を表現したいとき、マンガはとても適している。また、誰かの無意識を受け取りたい読者にとっても、マンガは最適なのである。
そんなふうに、マンガは「作者と読者の無意識の交歓」といえる。この構造は、手塚治虫の時代から現在に至るまで変わっていない。
ただし、それゆえ作者には疲弊するところがある。そもそも無意識を発露し続けるというのは、自動車のアクセルを踏み続けるようなもので、やがてエンジンが焼き切れてしまう。あるいはガス欠になって、いずれにしろ走れなくなる。事故を起こす場合だってある。
マンガ家が継続的に作品を描き続けられないのはそのためだ。とにかく無意識を疲弊してしまう。そして無意識を疲弊すると、人はいとも簡単
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