ハックルベリーに会いに行く
マンガのはじまり:その17(1,684字)
『ノンキナトウサン』は1926年(大正15年)、作者の麻生豊がヨーロッパを歴訪するため、一旦連載終了になる。
――と、資料にはあるが、本当のところは執筆に行き詰まったからだろう。アイデアが枯れたのだ。そのことは、誰よりも作者の麻生豊が分かっていたはずだ。
麻生豊は1898年(明治31年)の生まれだ。だから、このとき28歳。ちょうど「ギャグが描きにくくなる年」でもある。
ずっと後の平成くらいになって、ようやく「消えたマンガ家」という概念が生まれる。若い頃にギャグマンガで超絶的なヒットを飛ばすと、その後さっぱりとマンガが描けなくなるケースが多いのだ。
これは、歌手やタレントにおける「一発屋」とは大きく意味が違う。歌手やタレントの場合、そのかかわったコンテンツがたまたま良かったということが多いのだが、「消えたマンガ家」の場合、そのヒットしているコンテンツが途中から面白くなくなっていくのだ。目に見
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